中原家の反抗期【中原中也】一学期！

ハンバーグ ページ26

「…え？失踪…？」






「ミレイは手前を産んで一ヶ月後に姿を消した。」








「失踪って…事故って言ってたじゃん！お母さんは交通事故で死んだって！」




私は小さい頃お父さんによく、お母さんの話を聞いていて、


お母さんは交通事故で死んだ、と教えられていた。





「…どこに行ったか…調べてないの？」








「ミレイはポートマフィアの奴じゃない。無関係なやつに手をかけるほどうちも暇じゃないんだ。」








「お父さんはそれでいいの？だって…」









「ミレイは最初からフラッとクラブに入った。…今回だってフラッと出て行っただけだよ。」




あいつはそんな奴だ、とお父さんは言った。






「…そう…なんだ。」





何故かわからないけど涙が溢れて来た。





「お、おい！どうした？！」









「お母さん…生きてるかも知れないんだ…」








「…え？」









「私ずっと…お母さんの顔知りたくて…でも写真が一枚もなかったから…」



私は涙を拭いながら言った。






「……手前は俺に似てると言われると思うがな、手前の目の形は…ミレイそっくりだ。」




お父さんは私の頭に手を置いた。






「手前は…母さんにそっくりだよ。」








「ゔん…」









「ごめんな、ずっと言ってやれなくて。」









「…うん。」




お父さんは少し涙目になっていた。






「お父さん…」









「なんだ？」









「









ハンバーグ…焦げてる。」









「……………それを早く言ええええええ！！！！」







お父さんは慌ててキッチンの方に走っていった。




私はもう一度お母さんが写った写真を見直した。






金髪に赤い猫目のお母さん。






「そっくり…か。」

浴衣→←ミレイと過去

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す