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侑李side
「ゲホッゲホ……ゴホッ……んぅ……」
寝苦しい。一言で言えばそうなるのだが、それでは表現できぬほどに身体が音を上げていた。
気分が悪くて体がうまく動かなくて、呼吸がし辛い。
心臓がバクバクと音を立てて睡眠の邪魔をする。
何度寝返りを打っても肺の中まで酸素が行き渡らないような、そんな感覚がしていた。
「ゆーり、バイタル測るから深呼吸してみようか。」
「っは、……ふぅっ、ゲホッ」
呼吸をするたび喉が凍てつく。
深呼吸をしたくても呼吸がままならないのだ。酸素マスクは意味をなしているのだろうか。
「ゆっくりね、大丈夫だから、落ち着いて。」
高木先生の優しい声が耳に入るが、意識が朦朧として頭が痛かった。
ズンと重しを置かれたように体が重たい。
頭の痛みで吐き気まで催してしまう。
もがくように顔を顰めて足をゆっくりともぞつかせる。どうしたって取れないこの苦しみに飲み込まれてしまうようなそんな気がしていた。
薮side
「マイコプラズマだった。たぶん涼介が外来の方に検査行った時に貰ってきたんだと思う。」
侑李が集中治療室に入って数時間、告げられたのはやはり見知った病名だった。
涼介の方はなんとか薬で落ち着きを見せ始めたが、侑李は全くだ。
強い薬も使えぬ上に、効き目も浅い。
仕方なく集中治療室に移動することになったのだが、心臓の調子も悪くバイタルが安定せずにいた。
当の本人は意識を落としたり、朦朧とさせたりと随分と状態が悪いと言える。
二人揃って感染なんてどうしたものか。
防げなかったことなのかと後悔が襲っていた
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね!期待してます! (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています! (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱむこ | 作成日時:2020年2月20日 21時