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光side
朝だぞ、起きろ、
そう何度口にしたか、モゾモゾと動く音は聞こえるものの、起きる気配はない。
この病室の住人たちは言わずともめっぽう朝に弱いのだ。
「高木、圭人と裕翔起こして、俺こっちの二人起こすから」
「おう。」
高木に二人を任せると、俺は涼介のベッドに向かった。小さく咳が聞こえる。調子が悪いのだろうか。
「涼介、朝だぞ。起きれるか？」
「んぅ、ひか？」
「体温測るからな」
「んー、」
曖昧な返事を聞きながら、パジャマに体温計を滑り込ませるとしばらくして電子音が鳴った。
37.8度。微熱だ。
小児科に限らず、発熱した者は基本的に隔離される。これは院内感染を防ぐためである。
ストレス性であっても知恵熱のようなものであっても原因がはっきりするか、熱が下がるまでは別室だ。
取り敢えずカルテに体温を記入し涼介に具合を聞く。
「体調どうだ？」
「ちょっとだけ苦しい」
「後で吸入するか。」
「ぅん。」
よほど体調がすぐれないのか、元気のない涼介に不安になりつつ、検温が終わったという高木に侑李を任せると、涼介の体を起こし暫く背中をさすってやった。
「ひか、ちょっといい？」
「ん？どうした？」
「侑李なんだけど。」
嫌な予感がしつつ、高木に呼ばれ涼介のベッドを離れると隣のカーテンへと身を隠した。
「あらま、どうしたよ。具合悪い？」
「喘鳴と咳出てたから気になってたんだけど熱が38度あって。」
ぐったりとベッドに横になり布団をかぶる彼の顔色は優れない。呼吸も乱れて調子は随分悪そうだ。
思わずポケットに忍ばせていたパルスオキシメーターを侑李の指に装着させる。
76%、これでは苦しいはずだ。
「涼介も喘息の症状と微熱があるんだ。二人同時だと感染症の確率が高い。すぐ薮ちゃんに相談して個室に入れたほうがいい。」
「ああ。わかった。」
「取り敢えず緊急性が高い侑李にはすぐ吸入させるから、伊野ちゃん呼んで涼介の方処置してもらって。」
「了解。」
直ぐにぐったりした侑李の口元に吸入器を当てがうと背中をさするが、高熱を発しているようでじんわりと温かな温もりが伝わっていた。
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました！またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね！期待してます！ (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています！ (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています！ (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱむこ | 作成日時：2020年2月20日 21時
