46日目 ページ49
ガヤガヤと相も変わらず賑やかな食堂。しかしその風景にひとつ、変わったことがあった。それは、ぐでぇと疲労に打ちひしがれるイソギンチャク達が増えた事。それを見たフロイドとジェイドの口元にはニヤニヤと楽しげな笑みが浮かんでいる。彼らにたっぷりと扱かれているイソギンチャク達は、ヒィとだらし無い声をあげた。
「あ、アレ」
Aが指を指す先には、ジャック・デュース・グリム・ジャック、そして監督生の姿があった。
どうやら、ラウンジでの激務に前3人(正しくは2人と1匹)が泣き言を言っているらしい。
「フロイド、ジェイド」
「分かってますよ。行きましょう、フロイド」
「はぁい」
アズールが一言そう言えば、2人は軽い足取りで彼らの元へと言ってしまった。
「2人、何しに行ったの?」
「『客引き』ですよ」
「…今度は監督生?」
「えぇ。
暫くすると2人は満足気な顔で帰ってきた。話によると、今夜9時過ぎに監督生をモストロ・ラウンジに招待したとのこと。新しい悪巧みは成功しそうなのだろう、アズールもまた満足気な表情で頷いた。
ーーーーーーー
従業員もとい、イソギンチャク達が増えた事によって、Aのシフトは激減していた。そのおかげで課題は進むが、如何せんフロイドの機嫌が悪い。彼はアズールに新人教育を任された為、仕事が減ったAとは逆に、以前より仕事が増えた。
「フロイド、そろそろ戻らないとアズールが怒るよ、」
「しらね〜。アズールVIPルームに籠りっきりだからバレねーし」
「ジェイドは?」
「キッチンでイソギンチャ達と遊んでる」
ベッタリとAにくっついたまま、フロイドは話す。Aはさしてきにする様子もなく、手元の本に視線を落としていた。
「クラゲちゃん、さっきから何読んでんの?」
「魔法薬学の本…クルーウェル先生が読めって」
「はァ〜?なにそれ、イシダイせんせぇ依怙贔屓ジャン」
「期末試験、赤点ギリギリだったから…」
魔法薬学の平均点は90点程に対し、Aの点数は赤点ギリギリ33点。いくらその平均点がおかしいとはいえ、Aの結果はあまりにも悪すぎたのだろう。お怒りになった生徒思いでヤサシイ先生は、肩が外れそうな程の量の参考書やらをAに手渡した。1番上の本の表紙は、「駄犬でも分かる魔法薬学」
それを思い出して、ブスっと顔を顰めれば、フロイドはゲラゲラと大口を開けて笑った。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜!!ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます!!にやけられるものになっていて安心しました(?)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます!頑張ります!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです!フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです!体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい!応援していますっ! (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいむ | 作成日時:2020年3月23日 0時