7ページ ヒソカ ページ9
ボクのその問に携帯の向こう側にいるAの行動が止まったのは手に取るようにわかる。
そしてその返事も、もうわかってる。
『ヒソカ、私もまだ命は惜しいの、それに…』
感情の見えない私と戦っても楽しくないでしょ?
だろ?
『感情の見えない私と戦っても、ヒソカは楽しくないでしょ?』
ほら
『一理ある。じゃあどうすればキミはボクに殺意を向けるんだい?』
『さぁ、貴方の暗殺依頼が来た時じゃない?』
興味無さげに言うA…
嗚呼、キミのその無表情がボクへの殺意に染まるのが早く見たいよ、A。
『じゃあ… ボクがキミの家族を殺すとか?』
少し考えるA… ハズレ、か。
ちょっと残念。
『上の兄の死は悲しむだろう。けど、仮にも暗殺を生業にしてるモートン家、勝つにしても五体満足じゃ、無理だよ』
『わお、ボクが勝つ前提なのか、期待されて、嬉しいねぇ』
『仮に死んでも、戦い続けそうだからね。あ、情報スキャンしたから送るよ。その後友人にちゃんと渡してあげなさい、それじゃ…』
そう言って電話を切ろうとするAにまた一声かけてみるか…
『じゃあ、恋人を殺したら?』
『は?』
『その時は戦ってくれるのかい?』
『そんな存在いない。くだらないこと言い続けるなら切る』
そこからボクが言葉を続けようとしても一方的に切られ、機械音だけが耳に響いた。
「つれないなぁ」
そう言って携帯をベッドに投げてシャワーを浴び、情報を持って出かける。
「やぁ」
「遅くない?もう約束から一時間すぎてるけど」
「ちょっとね、でも頼まれた情報はちゃんと持ってきたよ、イルミ」
バーの窓に面したカウンター席に脚を組んで座るイルミの隣に座って封筒をひらひらさせると、それを取ろうとしたイルミから封筒を離す。
「は?」
「報酬が先だよ」
何となく、その表情のイルミが面白くてついそう言うと、針を取り出し始めた。
「冗談だよ、はい」
そう言って封筒を渡すと中身を取り出して興味深くそれを見ていく…
「へぇ、結構優秀だね、その情報屋、なんでこんな細かいことまでわかるの?」
ペラペラと紙をめくりながら聞いてくる彼。
「企業秘密、だってさ」
「今後も使いたいな」
「ボクを通してくれればいつでも、あ、これ情報料ね」
料金の書いてある紙を渡すと、明日振り込んでおくよ、と返されたので、おーけーっと答えた。
「ところで、イルミは結婚とかしないの?」
その質問に眉が少し動いたのは見逃さない。
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ねこ娘(プロフ) - あの無感情のイルミをそこまでキャラも崩さずに描けるの尊敬します、、、主人公もイルミも感情がないはずなのにちゃっかり恋しちゃってる?感じがなんとも、、、ついに旅団と関わっちゃうのかぁ!!続きがとても気になります。更新頑張ってください!! (2020年3月20日 21時) (レス) id: d91513b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてらんど(プロフ) - あぁぁぁ胸きゅんする!!! (2020年2月9日 18時) (レス) id: b348ed70ca (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ワイワイタヤコンさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ありとあらゆる病原菌の自然宿主である黒猫さん» そう言ってもらえると嬉しいです! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
ワイワイタヤコン - 好きすぎて、読み返してる。 (2020年1月16日 1時) (レス) id: c66835a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花ノ絵 | 作成日時:2019年11月28日 23時