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イルミから届いたドレスに皺がつかないようにと、試着の後にハンガーにかけ、翌日の髪型や化粧を研究していた時だった。
知らないアドレスから1通のメールが届いていた。
仕事だろうと迷いなくメールをクリックすると随分と丁寧な文面だった。
勿論内容は仕事の依頼だが詳しい内容は直接話したいとのことで、場所の地図と日時が書かれていた。
そして、その報酬額と依頼人の名前に目をパチクリさせた。
『幻影旅団』
そんな大物に依頼を頼まれたことはもちろん無い。面識もない。間違えたのだろうか…？そう思ったがその線はすぐに消えた。
そんな人達が宛先を間違えるはずがないから、それとはっきりと私の名前が記載されている。
今まで見たことの無い報酬額に内心ウキウキしながら、返信を打っていると重大なことに気づいてしまった。
日時が明日の20時となってる。
こんな偶然があっていいのだろうか…
そう肩を落としてどうするべきかを悩んでいると机に置いていた携帯が着信を知らせた。
『はい、Aだけど』
『やぁ、どう？荷物届いた？』
機械を通して聞こえてきたのはイルミの声だった。
『あ、うん』
これは、断るチャンスなのでは…？
少し心が痛むが、先日の仕事は報酬が入らず正直生活費に困ってる。
幻影旅団の仕事を受ければ幾分か楽になる…
『あのさ… すごく言い難いんだけど… 明日のその時間に仕事の打ち合わせが入って…』
『は？』
『多分断ったらやばいやつで』
携帯越しにも伝わってくるイルミの圧に心の中でそっと苦笑いを浮かべる。
『誰？もしかして、旅団？』
図星を突かれ、パソコンをハッキングされてるんじゃないかと疑うが、まぁそんな事は無いだろうから、小さく、うん、と答えるとイルミは溜息をついた。
『ダメ』
『いや、でも私今やばいくらい金欠だから、正直仕事受けないとやばいっていうか…』
『……わかった』
その言葉に、理解してくれたのだとホッとするが、女というのはめんどくさい生き物で、そんなあっさりと… なんて思ってしまう。
『ごめん』
そういって切ろうとした時にイルミが言葉を切り出した。
『その倍出すから、明日一緒に来て。その仕事は断って』
きっぱり言うイルミに言葉を失う。
『え、イルミそれは…』
『じゃ、そういうことで切るね』
言葉を遮られ、耳には虚しくツーツーと携帯の音が残った。
「イルミが私との時間を買った…？」
どこか嬉しいような、悲しいような、そんな感情が胸に広がった。
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ねこ娘(プロフ) - あの無感情のイルミをそこまでキャラも崩さずに描けるの尊敬します、、、主人公もイルミも感情がないはずなのにちゃっかり恋しちゃってる？感じがなんとも、、、ついに旅団と関わっちゃうのかぁ！！続きがとても気になります。更新頑張ってください！！ (2020年3月20日 21時) (
レス) id: d91513b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてらんど(プロフ) - あぁぁぁ胸きゅんする！！！ (2020年2月9日 18時) (レス) id: b348ed70ca (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ワイワイタヤコンさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ありとあらゆる病原菌の自然宿主である黒猫さん» そう言ってもらえると嬉しいです！ (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
ワイワイタヤコン - 好きすぎて、読み返してる。 (2020年1月16日 1時) (レス) id: c66835a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花ノ絵 | 作成日時：2019年11月28日 23時
