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先日のイルミとの出来事から1週間、彼からの一切の音沙汰はなかった。
私の日常は、いつもの物に戻っていた。

「今日は… 特になにもなしっと、メールをチェックして、ゆっくりするか」

一人言を呟きいつものようにパソコンに向かって座る。

少し期待はしていた。
あのイルミが、ヒソカに頼んでまでここに来たのも、執拗に私に執着するのも、もしかしたら特別な感情を私に懐いているのではと、浅くも期待していた。
けど、1週間もなにも怒らないのであれば、それがイルミお答えで、結果だ。

そう思ってると、インターホンの音が鳴った。

「宅急便です!」

そう聞こえたので、席をたったが、買い物をした記憶も無ければ、宅急便を使って私に贈り物をするような人物は周りにいないので不思議に思いながら慎重に対応する。
渡されたダンボールには差出人の名前は書いて居なかった。

「…開けて大丈夫なの?」

命を狙われるような事を仕事にしているため、どうしても警戒はしてしまう。

だけど、このままじゃらちが開かないと判断し、腹をくくってダンボールを開けると、ドレスコード一式と手紙が添えられていた。

手紙には「イルミ=ゾルディック」と書いてあったので、それを開けて紙を取り出す。

『Aへ、そのドレスは特注で作らせた物。明日、20時にそれを着て同封した地図の場所に来て。絶対。
イルミ』

数行そう書かれた手紙を机に置き、地図に目を通す。

「確か、資産家のお屋敷があった気がする…この場所」

仕事の手伝いか、と思いながら一緒に入ってたドレスを広げる。
真っ黒なマーメイドラインのロングドレス…

「わかってないなぁ… サイズも分からないのにマーメイドラインのドレスを女性に送るなんて」

入らなかったらどうするの?

そう思いながらも、せっかくの贈り物なので試着をしてみると、驚くほどにぴったりだった。

「… それもそれで気持ち悪いな」

サイズなんて教えた筈ないのにぴったりなドレスを特注できるイルミに少しばかりの寒気を感じたが、仕事とは言え、あのイルミがわざわざプレゼントを送ってきた。
これは、私を惚れさせに来てると捉えていいのだろうか…

そうだったらいいなぁ、と少し思った時点で、私は恐らく、彼に特別な感情をいつの間にか抱いていたのかもしれない。

だけど、それを認めるほど私は素直にまだ慣れない…のと、必死になってるイルミ見たさに、私はその感情を胸の内に秘めることにした。

47ページ→←45ページ イルミ



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ねこ娘(プロフ) - あの無感情のイルミをそこまでキャラも崩さずに描けるの尊敬します、、、主人公もイルミも感情がないはずなのにちゃっかり恋しちゃってる?感じがなんとも、、、ついに旅団と関わっちゃうのかぁ!!続きがとても気になります。更新頑張ってください!! (2020年3月20日 21時) (レス) id: d91513b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてらんど(プロフ) - あぁぁぁ胸きゅんする!!! (2020年2月9日 18時) (レス) id: b348ed70ca (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ワイワイタヤコンさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ありとあらゆる病原菌の自然宿主である黒猫さん» そう言ってもらえると嬉しいです! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
ワイワイタヤコン - 好きすぎて、読み返してる。 (2020年1月16日 1時) (レス) id: c66835a7d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花ノ絵 | 作成日時:2019年11月28日 23時

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