28ページ イルミ ページ30
試験が終わってすぐ、真っ直ぐ帰ろうと思っていたけど、10年前の微かな記憶を思い出して、俺は除念師を探すことにした。
自分で刺した針。
自分でかけた念。
なんでそうする必要があったのかが気になった。
決して封じた記憶を取り戻したい訳じゃない。
ただ、俺は何をそんなに恐れてそこまでしたのかが知りたい。
これを知れば、ヒソカには悪いけど次はあの女を消す。
そう思ってるのに、やっぱり胸の辺りのざわざわが収まらない…
A、あいつがやっぱり俺のない記憶に関係あるのか?
そう考えてると、携帯にミルキからのメールが入る。
頼んでおいた優秀な除念師の居場所。
「ジャポンか、遠いな」
そう呟いてから、執事に行き先を伝える。
あの女を殺すのも、キルの教育も今は後回しだ。
これを解決しないと、今後の仕事に影響が出るかもしれない。それは1番避けないといけない事だ。
本当に…
「イライラする」
それから飛行船で数日でジャポンに着いて、無事除念師に会い、俺の念を解いて貰った。
流れ込んで来た記憶や、過去の自分の感情に戸惑わずには居られない。
なぜなら、今と比べて遥かに子供なAの記憶ばかりだったから。
初めて顔を合わせた日、気になって影からこっそり観察してた日々、それがバレた日、度々会って話して、勝負したりした日々、そして、会う日を、すっぽかされた日、仕事が入ったのだろうと思いつつ家を確認しに行ったら、世話係の女と遊んでいたA、その光景に感じたこともない胸の痛み、そしてその時思った『友達なんていらない、大事な人もいらない、どうせ最後は裏切られる』その日から1週間彼女を何度も殺そうとしてたが結局、俺は彼女を忘れたいと強く思って自分に念を使った。
思い出すとまた胸が痛んだ。
なんで?あいつを殺せば済むはずだったのになんで俺はそうしなかった?
確実に俺の方が強かったのに。
過去の自分の行動に頭が追いつかないまま、再び飛行船に乗った。
だけど、胸が痛むのとはまた別に、知らない感情が溢れていた。
そういえば、いつも無表情だったAは俺の前だけでは、ぎこち無くも表情を変えてた。
そう思って窓の外を見る。
そこに写ってた自分は、何故か涙を流してた。
「くだらない。感情なんて…」
俺はそっと、少し暖かいそれを拭った。
そして、慣れないその感覚に無理やり蓋を閉めた
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ねこ娘(プロフ) - あの無感情のイルミをそこまでキャラも崩さずに描けるの尊敬します、、、主人公もイルミも感情がないはずなのにちゃっかり恋しちゃってる?感じがなんとも、、、ついに旅団と関わっちゃうのかぁ!!続きがとても気になります。更新頑張ってください!! (2020年3月20日 21時) (レス) id: d91513b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてらんど(プロフ) - あぁぁぁ胸きゅんする!!! (2020年2月9日 18時) (レス) id: b348ed70ca (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ワイワイタヤコンさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ありとあらゆる病原菌の自然宿主である黒猫さん» そう言ってもらえると嬉しいです! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
ワイワイタヤコン - 好きすぎて、読み返してる。 (2020年1月16日 1時) (レス) id: c66835a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花ノ絵 | 作成日時:2019年11月28日 23時