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6歳の時に婚約者の存在を知らされた私の目には少しの希望が写っていた。
この日常から救ってくれる光だと、信じて疑わなかった。
「お嬢様がもっと強くなられた時にきっと来てくれますよ」
ニコッと微笑んでくれる世話係に、幼い私は笑顔を向けた。
決して凄く優秀って訳でもなく、技術を身につけるには努力し続けなければならない私は、いつか来る自由の為にとより一層修行に励んだ。
「暗殺者にとっては感情は不要なもの」
そう教えられた時に、表面上、感情を消した。
辛いと部屋でなく回数も、毒で吐き気を感じる回数も少なくなり、7歳の私は初めて、ゾルディック家に連れられた。
父は大きな門の前に私を立たせ、「開けてみろ」そう私に言った。
小さい私は内心開くはずがないと思いながらも、はい、と答えることしかできなかった。
門に手を掛け、精一杯の力を込めるとそれは、少しずつ開いた。
それが少しうれしくて、父と母の方に顔を向けると「まだ足りないわね」なんて言葉をかけられた。
褒められる、なんて思っていなかったからかなにも感じず、1、と書かれた門を最後まで開けて中に入る。
今入った敷地が私の将来の旦那さんの家。
そう考えるだけで胸が高鳴ったと同時に、ここも普通の一般家庭じゃない事を悟った。
けれど、そんな事は関係なく、今の家、今の環境から逃げ出せるのならそれでいい。
そう思うほどに、あの家は窮屈だった。
「まぁまぁ!いらっしゃい!こちらへどうぞ」
屋敷につけば、そこには奇妙な女性と髪の長い筋肉質な男が私達を歓迎した。
「ごめんなさいね、イルミは仕事に行っちゃっていないのよ」
私を見てそう言った女性はきっと将来私のお義母さんになる人で、そのイルミがきっと私の旦那さんになる人。
「Aと申します。仕事でしたら仕方ないので、お気になさらず」
一礼して、自分ができる精一杯の丁寧語を使う。
会ってみたかった。
だけどきっと、まだ私が弱いから会ってくれないんだ。
そう、自分に言い聞かせた。
その日、キキョウさんもシルバさんも私を気に入ってくれたらしく、両親も満足していた。
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ねこ娘(プロフ) - あの無感情のイルミをそこまでキャラも崩さずに描けるの尊敬します、、、主人公もイルミも感情がないはずなのにちゃっかり恋しちゃってる?感じがなんとも、、、ついに旅団と関わっちゃうのかぁ!!続きがとても気になります。更新頑張ってください!! (2020年3月20日 21時) (レス) id: d91513b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてらんど(プロフ) - あぁぁぁ胸きゅんする!!! (2020年2月9日 18時) (レス) id: b348ed70ca (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ワイワイタヤコンさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ありとあらゆる病原菌の自然宿主である黒猫さん» そう言ってもらえると嬉しいです! (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
ワイワイタヤコン - 好きすぎて、読み返してる。 (2020年1月16日 1時) (レス) id: c66835a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花ノ絵 | 作成日時:2019年11月28日 23時