検索窓
今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:10,509 hit

58Q ……へんなやつ。 ページ12

ページをめくっていれば、廊下で足音が聞こえ、すぐに扉の開く音が耳に届いた。

「A」
「…あぁ、赤司くん」
名前を呼ばれ振り向けばいつも通りきっちりと制服を着た征十郎だった。

「待たせて悪かったな」
…そう言うのならはなから一人で帰らせて欲しかった、と言わなかったのは朝の件があったから。

「いいえ、別に」
それよりも部活お疲れ様でした、と微笑んで言えば征十郎は眉間にシワをよせた。
「…?A今は俺しかいないのにどうして」
言いたいことはそれだけで通じた。

「…別に。油断大敵、とはよく言うじゃないですか」

そういえば半分納得したように、そうか、とだけ言った。
「…帰りましょうか」
「あぁ」

開いていた本を閉じて棚に戻す。
おそらくもうこの本を読むことはない、と思いたかった。
「なに読んでいたんだ?」
「……別にたいしたものではないですから」
鞄を手にとって歩きだす。
窓に視線を向けなかったから気付かなかった。外はもうだいぶ日が傾いていた。

「……A」
「なんですか」
「もう誰もいない」
「嫌です」
戻したら余計なことさえ言ってしまいそうだった。
「A」
少し拗ねたような声色に少し驚いた。
……拗ねた、というよりは駄々をこねている、というべきか。
「……………………チッ、分かったよ」
舌打ち混じりに言えば、少し明るくなった声でお礼を言われた。

……へんなやつ。

59Q 花言葉→←57Q ……なんて無様なんだ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
76人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 赤司征十郎 , ぴよこん   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*。赤司 妃奈 。* - どうも、はじめまして。とても面白いです!夢主ちゃんのゲスだけどツンデレなところすごく好きです!更新頑張ってください!応援してます^^ (2018年3月17日 8時) (レス) id: a4d7dc62f2 (このIDを非表示/違反報告)
夜魔音狐ぴよこん - 終わらせられるよう頑張ります。ゲス?な夢主ちゃんをよろしくお願いします! (2018年1月6日 8時) (レス) id: fadf33e0a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこん@赤司様信者なう(●▽○)(プロフ) - 鈴香さん» ありがとうございますっ!のんびりですがよろしくです! (2013年4月3日 19時) (レス) id: 09cfa6f755 (このIDを非表示/違反報告)
鈴香(プロフ) - 続編おめでとうございます!! 更新頑張ってください!! (2013年4月3日 4時) (レス) id: 035d68fc2a (このIDを非表示/違反報告)
琉星.。(プロフ) - ぴよこん@赤司様信者なう(●▽○)さん» 了解ですっwwではまたww (2013年4月2日 17時) (レス) id: b85de741ac (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜魔音狐ぴよこん x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/piyokon/  
作成日時:2013年4月2日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。