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Ep.38 ページ38

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「俺スケジュール全部あの子に合わせてるんで。ね、A。」


無責任にも神威君がそうこっちへ投げるから。
再び集まる視線が痛くて思わず口を開いてしまう。



「い、いいんじゃない?私も神威君は芸能系の才能あると思ってたし。」

「ほら見ろ、Aも言ってんじゃねえか。どーせ今やることねぇんだろ?」

「俺が日中暇だと女連れ込めないからって押し付けはよくないよね。」



銀時さんが私の意見に賛同してくるなんて。しかもこういうことには関心がなさそうなのにと珍しさからの内心の驚きは、神威君の鋭い考察に苦笑に変わる。



「...まあでも時間あるのは確かだし、Aが言うならやってもいいかな。」



コーヒーを飲みながらそう呑気に答える神威君とは反対に、興奮気味に食いつく事務所の方。まるで羨望していた宝物を落札した様に。

それにしてもこんな非日常的な状況を日常的に流していくこの人たちは...。

足早に契約等や事務所の簡単な説明が繰り広げられる中、改めて彼らの異質さに力が抜ける。そんなことを考えていると帰ってきたのは土方さんだった。


事務所の方は、饒舌に神威君の話を進めていたけれど、土方さんに気づくなりみるみる目を丸くしていく。銀時さんから神威君、総悟君に土方さんと目線を右往左往する姿に、確かに顔面偏差値だけは飛び抜けて高いもんなあなんて共感めいた気持ち。


「芸能関係のお仕事をされていますか!?もし良ければうちの事務所に__」
「興味ねえ。」


言い終わる前にバッサリと切る土方さんに、この人もここの住人だななんて感心する。
続けてネクタイを解きながら総悟君に状況説明を求めれば、「ニートが就職しやした。」なんて悪意の塊で返されていて。

不思議な状況に流れるまま、静かに主役が立ち上がった。
何をするのかと見ていれば、神威君は徐ろに私の肩を抱き寄せる。



「まあなんでもいいんだけどさ。さっきも言ったけど、今の俺はこの子中心に成り立ってるから、そこのところよろしくね。」



まったくこの人は。私の反応を楽しそうに笑うけど、少しは私の巻き込まれ具合も労わってほしい。

兎にも角にも、今日もシェアハウスは慌ただしく話題が尽きなくて。今はただ、来客の視線を避けるのに精一杯です。




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S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
- 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時

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