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Ep.37 ページ37

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なんの前振りもなく呼ばれるから少しだけ緊張してしまう。


「私が不審者役をしますから、先生は襲われる園児役を。」


そう言う土方さんは、縮こまった私の腕を引っ張る。


「えぇっと...た、たすけてー。」

「声が小さい。」

「たすけてー!」

「そう。そしてそこで溝落ち目掛けて殴りあげてください。」

「なぐッ!?...こうですか..?」

「もっと本気で。...違う殴り倒す気でこい。」



倒すって...。
打ち合わせのないぐだぐだ加減だけど、ヒーローショーかなにかと勘違いしているのか、園児からは声援が上がった。


「...土方さん面白がってますよね...。」

「さぁな。...はい、ご協力ありがとうございました。」


体が近づくから、こそこそと文句を並べるけどすんなりとかわされてしまう。
しかし、土方さんってこんなに煙草臭かったっけ?なんて呑気に考えていれば、薄情にも戻れ命令が下された。





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職員向けの講習が終え、いつもより少しだけ遅い帰宅。
玄関にはシューズボックスに入っていない靴が並んでいた。



「ただい...ま...?」



リビングに入ると、夜ご飯を食べている総悟君とソファーに腰をかけている神威君と銀時さん、そしてその対面には見知らぬスーツ姿の男女が座っていた。



「おう遅かったな。」
「A、おかえり。」



ソファーに座る2人は何かの話の途中で声をかけてくれるけど、初対面の方々の視線も向けられ居心地の悪さに軽い会釈だけ返した。



「...ねぇなにこれ。なにがあったの...?」



少し声のボリュームを抑え総悟君に事情を聞けば、
テーブルの上にあった雑誌を前に出された。



「これ見て事務所にってよ。」



渡された若者向けの雑誌をペラペラとめくれば、アイドルや俳優に混ざり大きく一面に乗る水着姿の松陽基銀時さん。どうやらこの間の撮影の雑誌らしい。
銀時さんの長々としたインタビュー記事の後、めくり出てきたのは見覚えのある2人、神威君と総悟君だった。


「まさかお二人共先生のご友人でいらしたとは!」
「契約金諸々提示いただいて構いません。何卒お考えいただけないでしょうか。」

「俺はパス。そこのニートならいくらでも連れて行きな。」



素人とは思えない2人の写真もおそらくあの海の日のものだろう。いわゆるスカウトというものは初めて見たけど、こんなにスカウトされる側が優位に立っていて、こんなに緩いものなのだろうか。



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S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
- 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時

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