〔 銀魂 〕シェアハウス、はじめます

Ep.36 ページ36

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「はぁー、世間はとっくに夏休みか。」



動いてなくても汗をかいてしまう程の暑さ。
保育園の中庭から見えるコンクリートの道路には陽炎なんか見えてしまったら最後。やるせなさでいっぱいだ。

業務ででた多くの洗濯物を干していれば、隣に立つ先輩は嘆きの様な声を上げた。


「今日なんてここ最近で1番の猛暑だそうですよ。」
「毎日"ここ一番の暑さ"って聞いてる気がするけど。....まぁいっか。今日はあのイケメンが見られるし。」


項垂れる先輩の言葉になんのことかと引っかかっていると、「忘れたの？」なんて怪訝な顔。
衝撃の銀時さんの本業事件と暑さに気を取られ、最近の予定は頭から抜けてしまうことが多かった。



「防犯講習！」




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「このように不審...あやしい人に声をかけられたら大声を出すように。」

「はーい！」



防犯講習に警察の方が来ると聞き、もしやと思ったけど。
案の定、年長さんたちの視線の先には土方さんの姿。
一度聞き込みを兼ねたパトロールで園で会った際に思ったが、やはり近所に職場があるらしい。

うっかり忘れてのは私の方だけれど、同じ家に住んでいて毎日顔を合わせてるんだから少しはこれを話題に話してくれてもいいじゃないかと拗ねてみたり。規則正しい土方さんだから毎朝の挨拶は交わすけど、高杉さん並に掴みどころがない。

仕事人間そうだけど、彼女がいるだとか、休日は何をしてるだとか知らないことだらけ。



「また、近くにこのマークが付いてる建...おうちがあったら入るように。」

「はーい！」


目付きは鋭いし、口調は堅い。
それでも微妙に詰まっている言葉はきっと、子どもたちのためにと話しているから。証拠に園児たちは真剣に話を聞いている。

恐らく警察署支給なのだろうけど、園児向けの可愛らしい資料を使って淡々と説明する土方さんの図がなんともミスマッチで面白い。

隅っこからこの光景を眺めていれば、不意に土方さんと目が合って、


「...そこの先生、前に。」



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