Ep.18 ページ18
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聳える高級ホテルの最上階。
瞬く都会の夜景が目下に広がる。
ボルドー色の革製ソファーに座る女の前に跪く。
M字に座るから露になる女のソコ。いつものようにその割れ目を舐めるが、反応も見せず飄々と誰かと電話で話す女。
傍から見れば異様な流れ作業。
お互い何の感情も生まれない。酷く乾いたそれは本当に滑稽そのものだ。
ふと、女の脚を持つ自身の手に視線が向けば
目に入るのはうさぎ柄の絆創膏。
"神威さん"
こんな時に浮かぶ、今朝の驚いた表情。
ころころと変わるあの子の表情は見ていて飽きない。
「 あら、なにこれ 」
「 これじゃあ昨日の傷が見えないじゃない。それじゃなくても貴方の体は作っても作っても傷を消しちゃうんだから 」
気付けば電話を終えたらしい女は、その絆創膏を躊躇なく剥がしてくる。
「 痛がらない癖してなに怒ってるの?もしかしてこんなダサい柄の絆創膏が気に入ってるとか?」
驚いた。
この女が気付く程に顔に出していたとは。
わざと張り付いた笑顔と決まり文句で返すと、不機嫌な顔の女は俺の胸ぐらを掴み引き寄せる。
「 容姿と体力しか取り柄の無いあんたにどれだけ投資してると思ってんの?」
「 神威、あんたは私のペット。捨てられたくなかったらご主人様である私のご機嫌取りだけしていればいいの 」
身につけるのは宝石が散りばめられたアクセサリー。
しかしその瞳は、愛に飢え死んでいる。
暗く、光の入らない瞳。
俺と同じ、汚い瞳。
嗚呼、汚い____
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S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
粥 - 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時