乗れ!! ページ28
A) 確かに、あそこっぽいな。
Aは暗闇の中、先程の場所よりもっと広い敷地の廃墟を眺めてポツリと呟く。
A) (…人気はない。けど、何だろうな、重々しい空気が漂ってる。)
いや、俺がビビってるだけか…。
パシッパシッ
…よし!!待ってろ、キルア、ゴン!!
Aは自分の頬を叩いて、意気込み、スッと目を閉じて絶をした。
_
?) ピクッ (今、敷地内に何か入り込んできやがったか?)
廃墟のある1棟のろうそくの火だけが灯る1室にゴンとキルアはいた。
出口は1人だけ監視として残った旅団員の後ろの扉のみ。2人はその男に興味を持たれて、アジトに残らされていた。
ゴン) …A、どうしてるかな。(ボソッ)
キル) …知らね。
先程からキルアは酷くイラついていた。
この場からゴンを逃がすために自身の命をかけられるかどうかで迷っていたからだ。
幼少期から家族に教えられた言葉が妙に頭にチラつく。
幻影旅団の強さを前に、本当に友達の為に死ねるのか。そう考える度に兄、イルミにハンター試験の際に言われた言葉を思い出すのだ。
「無理だね」「友達なんかより」「倒せるか倒せないかの方が大事だから」「勝ち目のない敵とは戦うな」「殺せるか殺せないかでしか」「お前は根っからの人殺し」「友達なんてできっこない」
キル) …(違う、違う!!)
"現にお前はAに見捨てられた"
っ違う!! ゴッ!!
キルアはいきなり床を素手で思いきり殴る。
床にはヒビがはいり、血が流れ落ちる。
ゴン) …キルア、どうしたの?大丈夫?(ボソッ)
キル) ギリ …ああ。
キルアは自分の拳を血が出そうなほど固く握りしめ、悔しそうに唇を噛んだ。
?) …おい、お前ら。ちょっと黙ってろ。
唐突に男が言葉を発する。
その男の真剣な圧に2人は息を呑んで黙り込む。
キル) (明らかに、部屋の空気が変わった…)
ゴン) (何か、探ってる…?)
部屋の中を押しつぶされそうなほどの静寂が包み込む。ろうそくの火が1本、ゆらりと揺れる。
ドゴォン!!
キルアとゴンの背後の壁が勢いよく砕かれた。
同時に、何かが部屋の中に飛び込んでくる。
キル&ゴン) (ハク…?!)
?) …何だ、こいつァ?
男はそう言いながら腰の刀に手をかける。
と、同時に男の背後から人の声が発された。
A) ハクに乗れ!!
ゴンとキルアは反射的に命令に従う。
ハクは二人を乗せると入ってきた穴から外へ飛び出していった。
ゴン&キル) A!!
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シロ(プロフ) - 1章の字を間違えてました、すみません...。 (2020年2月10日 10時) (レス) id: 6110f6241d (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 凜々子さん» 凜々子さん!!ありがとうございます!!一生から読み続けてくださり、その上嬉しいコメントも頂けて、感無量です!ちょっと本気で涙が出そうです!!私も私の作品に触れてくださっている読者さんが大好きです!!(迷惑だったらごめんなさい!) (2020年2月10日 10時) (レス) id: 6110f6241d (このIDを非表示/違反報告)
凜々子(プロフ) - 一章からずっと見続けてます!やっぱりとても面白いです!十星押しときました!これからも応援してます!めっっっちゃ好きです!(唐突の告白) (2020年2月10日 10時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロ | 作成日時:2020年2月5日 23時