長くは待たない。 ページ15
実況) これはなんということでしょう…?!
A選手の一撃でリングにヒビが入りました!!
あの細腕から一体どんな力がでたのかー?!
Aはふらついたと思ったら、勢いよくネロに襲いかかる。Aの体は大きすぎる花によってほとんど見えなくなってきていた。
キル) おいっ、それ以上オーラだし続けると、本気で死ぬぞ!!?
ゴン) A!!
2人の声は、もうAには届かない。
それどころか、先程から脇目も降らずネロに襲いかかる様子は既に、Aの脳が侵されている事を示唆しているようにも見えた。
そんな中、ネロはAの動きが鈍るどころか鋭敏になっているのを感じていた。
命からがら避けるのも時間の問題であった。
ネロ) (なぜ、なぜまだ動ける!?)
と、ついにAの体が全く見えなくなった。
大きな赤い花のオブジェとなり果てると、Aの足がやっと止まる。
キル&ゴン) っ、A!!?
キルアとゴンから悲痛な叫び声があがる。
そして、もう1人、観客席から静かに眺めていたヒソカも、ピクリと手を動かした。
ヒソ) …。
ネロは状況を理解したと同時に尻もちをつく。
ネロ) 勝った…
実況) …A選手、戦闘不能でしょうか…?!
というか、もう面影も何もなーい!!
ネロ選手、見事赤花のオブジェの猛追から生還かぁ!?
会場が湧き上がる。
審判) …勝者n(( 待て。
キル&ゴン) っ!!?
ヒソ) !
湧く会場内で、低く、制止の声が響いた。
同時に赤いオブジェから、またしても大量のオーラが溢れかえる。
と、同時に花びらが1枚ずつ枯れたように落ちていく。次々と舞う花弁の中から現れたのは、金髪に蒼眼の青年だった。
実況) な、なんということでしょう!!まさにイリュージョンかぁ?!中から出てきたのはA選手ではなく見知らぬ美少年!
…いや、でも顔立ちは似ているぞ!!もしかして、カツラだったとかー?!
ゴン) …A…?
キル) …あぁ。間違いねー、あいつだ…!
A) 早々に、戦いを終わらせてくれるな。
…まだ、何も終わってなどいないだろう。
金髪のAはゆっくりと瞬きをし、ネロを見る。
ネロは呆然としていた。
ネロ) な、なぜ(( 知らないのか?
A) 養分は与えすぎると一変、毒に変わる。
お前の花はオレのオーラ量に耐えることが出来なかった。それだけだ。
…さぁ、痛い目にあいたくなければ早く立て。
長くは待たない。
Aは冷たく言い放った。
ゴン) (何だか、別人みたいだ…)
お前が知ってるあいつもオレも同一人物だ。→←...おい、逃げんなよ...?
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作者名:シロ | 作成日時:2020年1月16日 11時