【文スト】大人びている少女、武装探偵社にて奮闘中

十六話 人生万事塞翁が虎 ページ18

太宰「おお！遅かったな国木田君、虎は“捕らえた”よと言うかAちゃん！？何故敦君に膝枕をしているんだい！？」

此処に駆け付けたのは国木田だった。しかし太宰はその事よりも、自身の膝に敦の頭を乗せていたAの方が重要だったらしい。だが国木田はそんな事気にもせず

国木田「この小僧が？」

A「はい、虎に変身する異能力者です」

所詮、スルースキルと言う物である

太宰「国木田君は未だしもAちゃん？！君まで私を無視するのかい？！」

太宰はAにスルーと言う名の無視をされた事で騒いでいる。その時

国木田「全ったく…」

太宰「ん？」

太宰は何の事かと、国木田に視線を向ける

国木田「なんだこのメモは…」

と、国木田が溜息を吐きながら太宰に茶屋で渡されたメモを目の前に出し、太宰が

太宰「十五番街の倉庫に虎が出る。逃げられぬよう周囲を固めろ。実に簡潔で良いメモだ」

太宰は完璧だと言う感じで国木田に言うが、国木田は呆れたように

国木田「要点が抜けとる。次からは事前に説明しろお陰で非番の奴まで駆り出す始末だ」

そこへ、三つの人影と足音が聞こえてくる

「おお！」

一人は敦とAの元へ駆け寄ってくる少年

「何だい怪我人は無しかい。つまんないね」

【与謝野晶子ーーー能力名「君死給勿」】

蝶の髪飾りをつけた少々物騒な言葉を放った女性

「中々出来るようになったじゃないか、太宰！まっ、僕には遠く及ばないけどね」

【江戸川乱歩ーーー能力名「超推理」】

A「兄様！？」

乱歩「もう！危ない事しちゃ駄目じゃないか！」

Aの義兄である、名探偵。Aも、その人物の登場は予想外だったのか驚いた様子だった

「でもこの人どうするんです？自覚は無かった訳でしょ？」

【宮沢賢治ーーー能力名「雨ニモ負ケズ」】

国木田「ふむ、そうだな、どうする太宰、A一応区の災害指定猛獣だぞ？」

【国木田独歩ーーー能力名「独歩吟客」】

太宰「フフッ、実はもう決めてある」

【太宰治ーーー能力名「人間失格」】

そして、太宰はあの時の敦…生きる事を一瞬諦めていたあの時の様子を思い浮かべ乍ら

太宰「ウチの社員にする！」

その言葉に

賢治「おお！」

賢治は目を輝かせ

与謝野「何それ」

与謝野は呆れ

乱歩「やっぱり馬鹿だな、太宰は、ま！Aの案でもあるから、反対はしないけどね！」

と、反応は其々だった。乱歩はAの頭を撫で乍ら言う

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