4.修羅場 ページ4
部活では、勿論毎日朝練がある。
今日は、一番乗りにいってやる。
それで、こっそり自主練するんだ。
そう思い、気合を入れて朝早く起きて、体育館へ向かった。
すると体育館付近で、既に生徒らしき姿が見えた。
も、もう人がいるのか！
「なんで、若利はいつもそうなの！」
この声は…
そこにいたのは、牛島さんとAさんだった。
「何考えてるのか、全然わからないよ……」
「当たり前だ。他人の気持ちなど読み取れるわけはない」
「だから、もっとなんでも話して欲しいのに…」
「俺は必要以上のことは話すつもりはない」
あれあれ、痴話ゲンカか…？？
ヤバイとこに通りかかってしまった。
こんなの、ばれないうちに逃げたほうがいいに決まってる。
だけど…何故か…。
気になってそこから動けないでいた。
「俺は朝練の前に走りこみをしたいんだ。悪いが、もう行くぞ」
話の途中っぽいのに、牛島さんは
そう言って、走っていってしまった。
ストイックだな。
彼女と話し合う時間すら、もったいないのかな。
ちょっとAさんが、かわいそうだな…。
そう思ったとき。
Aさんはそこに泣き崩れた。
ええっ！？
ど、どうしよう…泣いちゃった！？
関わらないほうがいいのは判ってる。
でも、俺は…。あんないい人を放っておけない。
「あの…大丈夫ですか？」
俺は自然に足が動いて
彼女の肩を、優しく叩いた。
「うっ…ひっく…ご、ごしきくん…なんでここに…」
「ごめんなさい。少し聞いてしまいました。大丈夫ですか？」
俺は自主練で使おうと思っていたタオルを差し出した。
彼女はそのタオルに顔をうずめる。
俺は何も言わず、彼女の背中を撫でていた。
「ありがと…最近…若利とうまくいってなくて。あんまり話す機会もなくて…
朝練の前に呼び出したんだけど…
やっぱりあいつ、バレーのことしか考えてないから…」
こんな風に泣かせるなら、彼女なんて作らなきゃいいのに。
俺だったら、もっと大事にするのに。
そんな風に思ってしまった。
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茜(プロフ) - 音駒が見たいっ！さん» コメントありがとうございます！原作のキャラや世界観から逸脱しないように…は心がけているので、そのように言っていただけて嬉しいです！これからもお話書いていきたいです。 (2018年5月21日 18時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
音駒が見たいっ！ - 夜久さんの作品で茜さんを知りました。原作にも出てきそうなこの作風、とても好きです！また、色々なお話を見てみたいです！ (2018年5月21日 17時) (レス) id: 511a215ca2 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - ニーナさん» ありがとうございます！短いし、ハッピーエンドでもないのであまり自信がなかったのですがそう言って貰えて嬉しいです！五色は好きなキャラなので、また機会があれば書きたいです！ (2018年5月18日 21時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ - 五色の作品少ないので、この作品とっても面白かったです！また五色のお話是非作って下さい！ (2018年5月18日 21時) (レス) id: 502bd588ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2018年5月2日 13時
