検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:8,238 hit

2.魅力的 ページ2

今日の部活も無事終わって、寮へ帰る支度をして外へ出ると
女バレも終わったところだった。
男子ほどではないけど、女子バレー部もまあまあ強い。
けれどやっぱり、うちの注目は男子の方だから
女子は少し扱いが下で。
寮に入っていない生徒も多く、皆散り散りに帰っていった。


「あれ、五色くん、でしょ?1年の!」


突然、キャプテンの人に話しかけられた。


「は、ハイッ!!!五色工と言いますっ!」



女バレのキャプテン…牛島さんの彼女さんは、セッターらしい。
こうして近くで見ると、身長もバレー部にしては高くないな。



「若利から話きいてるよ。期待できる1年が入ったって。
私も期待してる。頑張ってね」



牛島さん…彼女にそんな風に俺のこと話しているのか。
少し、嬉しい気持ちになった自分がいた。
いやいや!でも!ライバルなのは変わらないんだから!!


けれど、こんな風に誰かに言ってもらえるのは久々な気がした。
白鳥沢に入って。全国レベルで強いのが当たり前で。
期待されているのも当たり前で、凄いのも当たり前。
だから皆、凄いとか期待しているとかもう言わなくなった。
静かなプレッシャーに耐えていた俺は、素直に応援する言葉をもらえて嬉しかった。



「あの…ありがとうございます。頑張ります!」

「1年生は素直でいいね。若利なんて応援したって励ましの言葉かけたって
いつも無表情だし、“当然だ!”って顔してるよ…」



なんとなく、彼女の顔が少し寂しそうに見えた。



「そ、それは…牛島さんは特別な存在だから仕方ないですよ。
実際は凄いプレッシャーと戦ってるんじゃないですかね」



何で俺、牛島さんのフォローしてるんだろ。



「五色くんはホントいい子だね。
君みたいな純粋な子が、若利の後輩なんて嬉しいよ」



女の子と楽しくデートする牛島さんなんて想像できないけど
彼女は、本当に牛島さんのこと大切に思っているんだろうな。
何故だかすごくそれが、羨ましく感じた。



「私、女バレキャプテンでセッターの真島A。よろしくね」



手を差し伸べる彼女は、眩しくて綺麗だった。
活発で社交的な性格と、綺麗な整った顔だからだろうか。
牛島さんの彼女だからだろうか。
握手で触れたその手に、凄く胸が高鳴った。

3.憧れの的→←1.エースへの道



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 音駒が見たいっ!さん» コメントありがとうございます!原作のキャラや世界観から逸脱しないように…は心がけているので、そのように言っていただけて嬉しいです!これからもお話書いていきたいです。 (2018年5月21日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
音駒が見たいっ! - 夜久さんの作品で茜さんを知りました。原作にも出てきそうなこの作風、とても好きです!また、色々なお話を見てみたいです! (2018年5月21日 17時) (レス) id: 511a215ca2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ニーナさん» ありがとうございます!短いし、ハッピーエンドでもないのであまり自信がなかったのですがそう言って貰えて嬉しいです!五色は好きなキャラなので、また機会があれば書きたいです! (2018年5月18日 21時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ - 五色の作品少ないので、この作品とっても面白かったです!また五色のお話是非作って下さい! (2018年5月18日 21時) (レス) id: 502bd588ac (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年5月2日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。