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□39. ページ40

新一 side.




────上等だぜ、オメーら。

私たちのやり取りに唖然とする中岡さんを後ろで感じながらもボールに足を置く。


またさらに起こった爆発はもう何回目だろうか。
きっと残り1分を切ったことを示すんだろう。

俺はメガネを外すと地面に放っておく。



…ゴールポストは瓦礫で直接狙えねーけど、あのシュートなら。

思い出せ、サッカー教室で教わったあのフリーキックを…!



頭の片隅にあった記憶。

…見えた。


ボールはインフロントに当て…、

蹴ると言うより、擦り上げる感じで…、



───“打つ”!!



「いっけぇぇぇ!!」

「無理だ、あの角度じゃ曲がりきれ…っ、なに!?」

「曲がれぇぇ!!!」



ボールは勢いよく宙を進む。

そして、ギリギリの角度で曲がったボールは、大きく音を立ててゴールポストに当たり、…ゴールを抜けた。



「どうだ…」


ゆっくりと顔を上げて電光掲示板を見ると、残り0.15秒のところで止まっている。



「…はは、」


安堵に体の力が抜けて後ろに座ると、微かに肩を揺らして笑う。

子供たちの喜ぶ声が聞きながらも深く息を吐いた時だった。



「…大したガキだ」


そう呟くように言ったのに中岡さんをじっと見つめると、彼は小さく微笑んだ。

それにつられるようにして頬が緩む。




「11人目のストライカーは、お前だったんだな…───江戸川コナン」






すっかり静かになったスタジアム。
きっとそろそろ警察が到着する頃だろう…と立ち上がった時だった。


『新一っ!!』


俺の名を呼ぶ声がして、その方向に目を向ける。

…まあ、今の俺をそうやって呼ぶやつなんて1人しかいねーけど。


怒られる…と思いきや、Aは立ち上がった俺の方へとゆっくりと歩み寄ってきた。



「……A?」

『……ありがとう、』



今にも消え入りそうな声。

やべ、泣く…と瞬時に思ったけれど、彼女は瞳に溜まった涙を零すことはなかった。



『ボール、届いてよかった…っ』



唇を噛み締めながら、安心したようにそう言うAのことを抱き寄せると頭を撫でてあげる。



「…ああ、ちゃんと届いたよ」








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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
- おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月18日 22時

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