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□3. ページ4

今度は私たちの番だ。
ヒデ選手の蹴ったボールが綺麗な弧を描いて新一の方へ。

それを胸で受け止めた新一は、上手にリフティングを繰り返した。



『……かっこいー、』



やっぱりこうして見てみるとかっこいい。
新一がサッカー部だった中学の時だって、試合を見ていて1番輝いていたのはやっぱり彼だった。

…ちょっと贔屓はあるかもだけどね。



「───おい、愛花!」

『へ?…んぶっ…!!』



ぼーっとしていた私の顔に直撃したサッカーボール。

思わずどさりと尻もちをつく私に「なにやってんだよ、」と駆け寄ってきた新一が手を差し伸べる。


「…見とれてたろ」

『違う』

「だって俺のことは見てたのに…」

『自意識過剰!…もう、貸してっ!』


…見とれてたのは事実だけど。
…めちゃめちゃ図星だけどっ!!

私は新一からボールを取ると、ぽんっと上に蹴りあげて今度はヒデ選手の方へと返した。









·





『む…』



気がつけば私たちの周りには人だかりができていて、サッカーの上手な新一を見て感心していた。

…当たり前じゃん、そんなのずっと前から知ってるよ。


なんだか疎外感を感じてため息をつくと、器用にボールを操る新一を見る。

ぽんっと軽くヒデ選手へと返されたボール。



「…参った、降参」


それを胸で受け止めたヒデ選手は、ふぅ…と息を吐くと小さく笑って両手を挙げた。

それと同時に新一の元へと駆け寄るみんな。


私はむっと唇を尖らせる。
…知ってますよ、私が運動音痴で特に球技はできないことくらい。

…サッカーだけはちょっとできるつもりだったんだけどなぁ。



「君、サッカー経験はあるのかい?」

『へっ、…あ、いや…ないです』


びっくりして顔を上げれば、私のすぐ横に立っていたヒデ選手。

否定すれば、彼は目を丸くさせる。


『あ、でも小学生の頃から幼馴染に…』

「小学生?」

『よ、幼稚園!!』


慌てて言い直した私に一瞬キョトンとしたヒデ選手だけど、その顔はすぐに笑顔に変わる。

あ、笑ったら少し幼くなって可愛い…。



「すごい上手だったよ」

『あ…りがとうございます…』



くしゃりと私の頭を撫でたヒデ選手。
ぽっと頬が赤くなるのを感じていると、私の横を赤いユニホームの人が通り過ぎた。

…あ。



『…比護選手』




·

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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
- おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月18日 22時

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