酔っ払いに道理は無効 ページ7
(さあ、どうしたものか...)
あれからまた数時間が経つほど宛もなく闊歩し、既に景色は繁華街のような煌びやかな夜の街と化していた。
賑やかさはより一層増したようにも感じる路地で、一人部屋着姿のまま途方に暮れていた。
通行人とは目を合わせないものの、私に向けられる視線だけは痛いほど感じる。
(ここだと、この格好は浮いちゃうみたいだな....本当に、一体ここはどこだって言うの。まるで)
まるで異世界。
(ファンタジー小説じゃあるまいし....でも、でもここが異世界として、あの雷で異世界に来たとなれば、全てに納得がいく....かも....)
浮かんだ非現実的な仮説が、不安に拍車をかけた。
目立たないよう道の端を歩いていると、ふと目の前に人影が現れた。
「お嬢ちゃん、家出でもしたの?」
俯いた顔を上げると、そこには酔っ払ったようにへべれけな様子の見知らぬおじさんが立っていた。
立て続けに私に話しかけるおじさん。
「ね、おじさんと飲みに行かない?奢るからさぁ、憂さ晴らしにさ、付き合ってよ〜。」
へつらうような声色で私に近づくおじさん。
口からタバコのヤニと酒の悪臭が漂ってきて、思わず後退りしていた。
(うわ、くっさ!!ど、どうしよう、厄介なものに絡まれちゃった...)
酔っぱらいに絡まれた事が初めてなのもあって、どう対応していいのか分からず、窮地に立たされた。
「ささっ、行こう行こう!」
強引に肩に両手を置くと、酔っぱらいはそのまま連れて行く勢いで私の腰に手を回してきた。
「あっあの!ほんとに!やめてくださいっ....やめてください!!」
腰にある知らない人の手の感触に恐がり、思わずその人ごと突き飛ばすように押してしまった。
その拍子で尻もちを着いたおじさん。
不機嫌そうに唸り、どうやら余計厄介な存在になってしまったようだ。
「おいコラ、何してくれてんだ!」
むくりと起き上がると私を睨み付け、下品な笑みでまた近付いてきた。
倒された事をいいことに私のお尻を触ろうとまた腰に手を回してきたのだ。
恐怖のあまり声が掠れる。
思い出したくない映像が微かに頭をよぎる。
「ご、ごめんなさっ....」
「ジジィこそ、何してくれてんだ。」
その聞き覚えのある低い声と共に、あと僅かで触れられてしまっていたいやらしい手は、触れること無く払われた。
払いのけてくれたのは、
食い逃げした銀髪の男の人だった。
ヒーローは遅れて来るのが相場だが、ただの遅刻とは全くの別物である→←警察であれヤクザであれ知らない人にはご用心
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時