検索窓
今日:37 hit、昨日:11 hit、合計:241,199 hit

一方的な感情というものはいつも切ない ページ36

「何言ってるんですか、銀さん。銀さんはAさんと一緒の部屋で寝ないとダメですよ。」


そんな突拍子も無いことを口にしたのは真面目が売りの新八くんだった。


「新八、お前が何言ってるんだよ。」

冷静にツッコミを入れる銀さん。



「そうだよ、さ、さすがに一緒に寝るのは....」

それに対して私はあたふたと落ち着きを失う。



「だって、考えて下さいよ。Aさん、四日前の晩何があったんです?」


「あ、」

私は気付かない内に声を零した。


「もう二度と襲われないなんて確証はないんですから、護衛として銀さんを傍に置いた方が身のためです。」


「おい俺は用心棒か。神楽と寝ればいいだろ。」


「そこは銀さんが守ってあげてくださいよ。
神楽ちゃん寝たら中々起きませんし、それに彼女も女の子ですし。
そしたら銀さん、結局ここで寝ることになりますよ?」


二人の会話をただ黙って聞く私。




「....ま、俺はいいとして、Aは平気か?」


「はい、布団は別々ですし、大丈夫ですよ。」


布団を別々にする条件を確保した答え方をする。



「それじゃ、銀さん。Aさんの用心棒、頼みましたよ!」


「はいはい。」


最後の念押しを銀さんが軽く受け流すと、新八くんは速やかに帰宅した。



テレビの音だけが響く空間で沈黙が私達を包む。




(あー、何か変な展開になっちゃった.....どうしよう、んー、気まずい...)


私が内心うろたえている事など知りもしない顔の銀さんは体を起こすなり、


「布団敷くか。」



と一言だけ発した。


「はい、」


妙に緊張して高ぶる心臓を、串刺しにして心肺停止させる


そんな映像を思い浮かべながら襖を開けて入った。


定春が押し入れの下に入ってあくびする音が背中で聞こえる。


(心臓止まれー....いや止まっちゃ死ぬか、でもホントうるさい...!!!)





銀さんが布団一式を押し入れから取り出すと、私もそれに続いて自分の分の布団一式を取り出す。


ひっきりなしに早鐘を打つ心臓の鼓動が、銀さんに聞こえてないかとヒヤヒヤする。



(でもまあ...)




チラリと横目で銀さんの顔を見る。




(大人が私みたいな子供を意識するわけないか.....眠そうな顔してる....ああもう、一人でドキドキしちゃって馬鹿みたい.....)


彼の何一つ変わらない様子に冷静になった私。



布団をある程度の間隔で並べる終わると、


「んじゃ歯磨きしてくるわ。」


それだけ伝えて彼は寝室を出て行った。

寝る前何か考える人ですか、無心になる人ですか→←人は自分が犠牲になる時、それを誰かが知ってくれるだけで報われるものだ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
151人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , トリップ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。