家族同士でも知らない事って多い ページ33
「はー....じゃあその"狐の虐殺鬼"が攘夷浪士と思われているのも無理ないね...。」
私が話を戻すと、新八くんはそれが...、と続ける。
「僕の知り合いに、攘夷志士の頭のようなものをやっているお侍さんがいるんですけどね、
組織にはそんな殺生な事をする男はいないって言うんです。
だから狐の虐殺鬼は、多分個人的な理由で個人的に攘夷活動をしているんじゃないかって僕は思うんですよ。」
「あー、単体行動ってこと?そうなんだ。」
「もーそんな物騒な話やめて食べるアルお前ら!せっかくの飯が冷めちまうアルよ!」
食事時に不穏な話題で盛り上がっていた私たちに、神楽ちゃんは耐え切れずに喝破した。
「えっ!ちょ、神楽ちゃん!食べ過ぎだから!!つまみ食いにも限度があるでしょ!!せめていただきますくらい言ってよ!」
見れば暴食少女は両手で吸い込むようにエビの天ぷらをつまみ食いしていた。
「何ヨ、私ちゃんと言ったアルよ、お前が聞いてなかっただけネ。」
「本当に?...まぁいいや、じゃあ、食べましょうか、Aさん。」
神楽ちゃんとの言い合いに素直に折れて、私の分の箸を差し出してくれる新八くん。
すると脱衣所の方から戸が開く音がした。
「ちょっとちょっとー、何先に食べようとしてんの、この家の主がまだ席に着いてないだろーが。お、天ぷらじゃん。」
肩にタオルを掛けて、髪の毛を拭きながら銀さんが現れた。
「ん、新八今日もここで食べてくのか。」
「はい、もうこんな時間ですし、姉上はもう仕事に行ってると思いますから。」
「そうか。」
そう言うとよっこらせと椅子に腰を下ろして、ようやく皆が揃った。
「「いただきまーす。」」
手を合わせて夕食の時間が始まった。
「それにしても何だ、お前何にも世の中の事知らねぇじゃねーか。箱入り娘にも程があるだろ。
おとっつぁんとかには教えてもらえなかったの。」
どうやら私達の会話が聞こえていたみたいで、私の世間知らずに彼も驚いているようだ。
「宇宙から来た神楽ちゃんよりも世間知らずなんですよ、Aさん。」
「オイ、誰が世間知らずあるかコラ。」
子供扱いされたのが癪に障ったのか、低い声で指摘する神楽ちゃん。
「て、え?神楽ちゃんて、宇宙から来たの?」
「あー、そう言えば言ってなかったアルな!そうネ、私こう見えてチョー最強の宇宙人アルよ!」
胸を張って笑顔になる彼女は、
ただただ可愛かった。
それが例え事実だとしても、それを相手が嫌がるなら言ってはいけない→←自分の状況が把握出来ないのってお化け屋敷にいるより怖い
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時