川に飛び込む理由は千差万別 ページ29
「って、あ、あれ?銀さんどうしたんですか?!」
驚きの光景に思わず大声が出た。
玄関には、ずぶ濡れで肩や頭に落ち葉を付けた滑稽な姿の銀さんが立っていた。
「いやー、ちょっと川に落っこちてよー、このザマだぜ。」
苦笑を浮かべながらまた平然ととんでもない事を口にする銀さん。
それに、心做しか息が上がっているように見える。
だいぶ疲れている様だ。
「銀ちゃんってば、500円玉のためだけに命投げ打って川に飛び込んだアルよ、ホントどこの死に急ぎ野郎アルか。」
呆れた様子で銀さんに続いて入ってくるなり解説する神楽ちゃん。
「おい神楽、人のセリフを無闇に借用するな。
ていうか何だよ、その言い方だと俺めちゃくちゃカッコ悪いみたい。」
語弊があるとでも言うようにすぐさまツッコむ銀さん。
「実際めちゃくちゃカッコ悪かったネ。ぱっつぁーん、腹減ったアル飯食おーヨ!」
新八くんに呼びかけると、銀さんにお構いなくスタスタと部屋に入っていた。
「銀さん、まあ今日は報酬もらえただけでも良かったじゃありませんか。
さっさとお風呂入っちゃって下さい。その間にご飯用意しときますから。」
新八くんも慰めに近い言葉を掛けると、銀さんを置いて左の扉へ行き夕飯の準備をし始めた。
「今日はどんな仕事したんですか。」
私の質問に答えることも無く靴を脱いで家にあがる銀さん。
お風呂に入ろうとしたのだろう、右に曲がろうとして、
ドカッ
ドアの枠角に右肩をぶつけてよろめいた。
「ちょ、ちょっと銀さん?大丈夫ですか?」
思わず歩み寄って彼の肩を支えながら尋ねた。
「大丈夫だ、ちょっと馬鹿やって疲れただけだから、心配すんな。」
目を開いてるのもダルそうなのに、わざわざ重い手を私の頭に置いてポンポンと撫でると、そのまま脱衣所に入ってしまった。
居間に戻って神楽ちゃんにさっきの質問をもう一度訊く。
「廃屋撤去作業の手伝いネ。」
「それで銀さん川に落っこちたの?」
「いやいや、銀ちゃんが川に突っ込んだのは仕事には毛ほどもカンケーねーアル。」
「え、そうなの?」
唖然とする私を他所に、神楽ちゃんは酢昆布を噛みながらリモコンのボタンを押し、テレビをつける。
テレビがつくと自然と私の関心もそっちへ向いた。
(はーなんか面白い形のテレビだなー)
テレビの外見に興味を示していると、画面はニュースに変り、
男性のアナウンサーが最近のトピックについて話し始める。
常識というものは、一人でこっそり身につけたいものですね→←人は大方外見で判断する生き物である
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時