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何…?

今日いらしたお客様。

エリスタエル・ベイティ、様。

私が前のお客様の蝶を採集したあとに瓶に入れて私にくれた。

彼も採集家なのかな…。

とにかく、お客様とした約束だもの、きちんと守らなきゃ。


ノックすると、彼はすぐに出てきた。

いらしたときとは違う服を着ていた。

「よ、仕事遅くまでお疲れ様。入れよ。」

お客様のお部屋に入るのは初めて。

緊張する…。

「失礼します。」

椅子に座らせていただく。

「…お前、蝶の採集家なんだな…?」

「…えぇ。」

静かに話を進める。

明かりは暗くなっている。

「なぜ採集家に?目的があるだろ?」

当然。

「アプリコット…アプリコットの蝶を見つけるためですわ。」

「そう、だよな。」

アプリコット…。

蝶には色がある。

その人の本心を写し出す、生きた結晶。

赤…青…黄色…黒…。

色々な腹ワタがあるわ。

だけど…どんな本心があれば手に入れられるのかわからない…どの資料にも載っていない唯一の色。

それがアプリコット。

「蝶に、術をかければ魔法が使える。アプリコットは…その術で人を1人甦らせることができる。…そこは大丈夫だな。」

「えぇ。」

すると一呼吸おいて彼はまた続けた。

「お前…一度は出した蝶を逃がしたことがあるだろう。そいつらが行き着く場所がある。そこに行けば…いるんじゃないか?アプリコットが…。」

な…。

「本当…ですか?それなら…。」

「あぁ。“蝶の楽園”って言うらしい。俺にはお前みたいな冷静な判断ができない。だから…着いてきてくれないか。お前にもいるんだろ…取り戻したい大切な人が。」

うなずく。

「残りのお客様は皆さん明日帰られますわ。…その話が本当なら…乗るしかなさそうですわね。」

「よし…決まりだな。お前…名前は?」

この方と。

探すことになるのね。

「A・フェリウスと申します。Aと呼んでください。」

「ん。改めて、俺はエリスタエル・ベイティ。呼び方は…エリスで。それと、その敬語やめろよ。俺たち、同じ目的で同じことするんだぜ?」

…そうね。

「じゃ、しばらくよろしく。A。」

手を出したので彼の…エリスの手を握り返す。

「よろしく。エリス。」

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作者名:円香 | 作成日時:2018年8月7日 16時

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