出会い ページ4
司会者「30億出ました!
これ以上の金額は出なさそうなのでそこの額にバンダナを付けた方、落選でございます!」
群衆の視線が一気に団長に集まる。
無論少女も顔を上げて団長を見た。
その瞳は遠くからでも分かるくらい透き通った青藍色で淡い翡翠色がグラデーションのように入っていた。
俺はその瞳に心を奪われた。
もちろん団長もマチもその他の群衆もだ。
ましてや司会者までもガン見してしまっている。
団長が突然立ち上がった。
そして、舞台の方に一歩一歩ゆっくり近づいていく。
少女は怖がっていた。
バンダナで目頭を隠された団長の目は闇しか映していないのだから。
少女は震えていた。
ビクッと肩を揺らす度に繋がれた鎖が比例してガシャンと音を立てる。
クロロ「このまま持ち帰ってもいいのか?」
と、団長は司会者に尋ねる。
司会者「もちろんですとも。
これで競売は全ておしまいになるので。」
クロロ「そうか。」
と、団長は少女を抱き上げた。
その速さは約0.02秒。
常人ではまず見極めることができない速度。
少女も大層びっくりしている。
いつの間にか身体が浮かんでいたのだから。
うわ、この喋り方疲れるな←
そのまま団長は出入り口の方に足を進めた。
団長が俺らの席を通り過ぎたところで俺達も彼の後を追う。
ふと後ろを見るとガヤガヤと群衆共が騒いでいた。
司会者が必死に彼らを落ち着かせようとしている光景にハハッと笑いがこぼれてしまった。
そこで俺らは車に乗り込み、一気にアジトまで一直線。
その間、少女はビクビクして俯いたままだったそうだ。(俺は運転してるから後部座席は見れないからね。)
当たり前っちゃ当たり前か。
目つきの悪い人たちに囲まれて車に突然乗せられるなんて恐怖以外何物でもない。
数分後、アジトに着き、車から降りた。
クロロ「シャル、運んでやれ。」
との命令が入ったので、俺はあまり怖がらせないように少女を抱き上げた。
相変わらず少女の身体は震えている。
もちろん寒いからではない…と思う。
100%原因は俺たちだ。
少し気の毒に思いながら俺たちは広間に向かった。
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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年4月16日 17時