私は貴方の飼い主よ

最強の姉23 ページ24

高専に入学して分かったことがある。
1つ目、私の同期2人は普通に見えて中身は変わっている。
硝子は煙草吸うし酒も飲む、初めて吸ってる所を見た時は本当に口が開いたままだったよ。
傑は真面目だし一人称「私」だし授業だって真面目に受けてる、けどよく悟と喧嘩するし1度キレたら手が付けられない。
ほんと変わってる。
けど、変わってるからこそ普通なのかもしれない。

2つ目、甚爾は、私との約束を忘れているということ。
ここに入学してから１ヶ月が経った。
いつも起きてから思う事は、今日こそ彼は来てくれるだろうかという馬鹿な期待。
一日が終わって部屋に戻って思う事は、来なかったという現実に心がどんどん汚れていくこと。
そして寝る時に思う事は、忘れよう、全てを忘れて新しい明日へ進めるはずだという不安と無謀な期待。
彼を思えば思うほど自分がこんなにも弱いと痛感する。
どれだけ力を持っていても、どれだけ容姿を努力して整えても、どれだけ知識を詰め込んでも、私の精神(心)は汚れていく。

そして、最後の3つ目は。

「あﾞー行きたくねぇええめんどくせぇええ」

『重いよ悟』

「なんで姉さんと別々なんだよ」

『まぁ、能力ほぼ同じだしね、任務が別になるのは仕方ないね』

「クソかよ」

悟が私から離れなくなったこと。
態度や口調は悪くても、それでも悟は私を気遣っている。
甚爾を見かけたあの日から以前よりも一緒にいる時間が増えたとは思っていた。
けど高専に入ってからはほぼ常に居る。
ほんと、不器用で可愛い弟。
悟にとっては大変かもしれない、けどごめん。
もう少しだけ、もう少しだけ私の傍に居て。
ちゃんと忘れるから、ごめんね、悟。

「…なに泣きそうになってんの」

『…ぁ、ううん』

「そんなに俺と離れるの寂しいなら姉さんも来いよ」

『はいはい』

「イエーイ」

『あ、そうそう。今日硝子とタコパするんだけど悟も来る？』

「タコパとか初じゃん。行く行く」

『なら傑も誘わないとね』

「俺連絡しとく」

『ありがと』









(タコの代わりにわさび入れようぜ)
(ガキかよ五条)
(一つだけなら構わないよ)
(フラグ回収にアイス1つ)
(1/20の確率なんだから当たらないでしょ)
(流石に無理じゃないか？)
(ぐっ、か、うぅぉぉお…)
((マジか…))

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