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今世 綿毛は嫌い ページ39




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レンジで2分あっためてたべて。
おれはあしたようちえんだから早くねる。

  恵
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ラップに包まれた夕飯の近くには可愛い字で書かれたメモ用紙があった。


奥の部屋、恵が眠る寝室に忍び足で入ればスゥ、スゥ、と可愛らしい寝息を立てている子供が1人。




『 恵はもう寝てるよね 』



そりゃそうだ。色々あって帰るのが遅くなっちゃったし、幼稚園生がこんなに遅くまで起きてるなんて不健康過ぎる。


いつもならツンツンしてる恵の髪の毛も枕につぶれてしなれぎみだった。


「……んん……A………?…おかえ、り 」


『 ただいま、起こしちゃってごめんね恵』



眠たそうに目を擦りながら別に、大丈夫と素っ気なく答える恵の小さな体に頭を預けるように優しくハグをした。


「?……どうしたの?」


『 恵が生きてるってことを心臓の音聞いて再確認してるところ……本当にニンゲンってのは儚い生き物だね。少し目を離した隙に、私を置いて綿毛みたいな軽さで遠くに飛んでっちゃうんだから』


「 ?わたげ??」


幼い子供特有の温かさとふわりと恵の細い首当たりから感じる落ち着く甘い匂い。



『 なんてい言うんだろう……悲しいのか、それとも怒ってるのか……難しいね他人の気持ちは嫌でも察することが出来るのに………自分には鈍感なんて……皮肉なものだなあ…』


恵を寝かせなきゃいけないのに私の口は止まらなかった。


「…………難しいことは俺わかんないけど、今日急にAが居なくなって俺はびっくりしたし……さびしかったよ 」



優しい手つきで私の背中をさする恵。



『 ………………恵は急にいなくなっちゃダメだよ?死ぬなら私の目の前で死んで欲しいの。恵は私のだから誰かに殺されちゃダメ。死にたくなったら私がころしてあげる………………』


今世は前世より自分の独占欲やら執着心が強いみたいで知らぬ間に回っていた自分の口に少しびっくりした。


『 ……めぐみ?』



やっぱり眠かったのね。


可愛いく寝息を立て始めた恵を布団に運んで私も一緒に暖を取りながら眠りについた。



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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ‬߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時

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