今世 五条悟(3) 幼少期 ページ34
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「 つまんない男だなあ」
多分1000年以上前の人間で、家督を継がないって言ってるから長男ではないのかそれとも分家なのだろう。
日記って言うより報告書みたいだ。
「 せっかくあの汚い字まで覚えたのに……ん?」
男の日記から度々出てくるAという名の遊女。
「 “やっと事件が解決した。今日彼女を身請けしようと思う“」
青銀の髪の遊女。琴を弾くのが上手くて、遊女にしては頭が良い。
「“無骨で頑固な私をいつも笑顔で暖かく迎えてくれた彼女を愛している“」
そんな完璧な女がいるもんか?
と言うか、遊女にベタ惚れってよく周りが許したもんだな……
手元にあった愛囁天女の絵を見ればその髪は薄らと青色で塗られていた。
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それから空いた時間を使っては愛囁天女のことを調べたり、過去に五条▅▅という名前の呪術師が何をしていたのかを調べた。
_そして半年近く埃臭い蔵などを調べて、ある1つの真実にたどりつく。
「当時五条家最強の特級呪術師で、仲間からも恐れられる冷酷な人物……そして死亡前日に五条家を出て呪術師も辞めてる 」
男が家を出た日と日記にかかれていた遊女を見受けする日が一緒だった。
「愛囁天女は誰も見たことの無い特例特級呪物………そして遊女Aと同じく青銀髪に浮世離れした容姿。▅▅の骸には何故か戦った跡と大量の花が添えられていた……身請けするのに何と戦ったんだ……呪術師は辞めたってのに 」
誰に話すでもなく独り言のように淡々と思っていたことを言葉で並べる。
「 遊女のA=愛囁天女で身請けの日に遊女の本性に気づいて戦って殺された、のか?」
─ 五条悟少年は理解できなかった。
財も家も地位も、今までの全てを捨てて1人の女と共に在ろうとした男の感情も。
そんなに深く愛した女と戦おうと決意した男の意思も。
「“彼の死に顔はとても穏やかだった“…ね」
これも意味がわからない。
だってめちゃくちゃ愛してた女に騙されてた挙句の果てにその女に殺されたんだろ?
全てを捨ててその遊女を選んだのに騙されて殺されてなんで穏やかな顔してんだよ。
普通に憎んだり怒ったりするもんじゃねーの?
「 なんか、わかんねーな〜……」
〈歴代当主の歴史〉なんかよりもこの男の最期の方が気になった。
「 …………………探してみるか特例特級呪物、愛囁天女」
祝!評価50人!!皆様本当にありがとうございます!
連投だーー!
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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時