今世 怪しすぎる ページ22
2006年 某アパート
『 ここに甚爾の子供がいるの?』
「はい、いまの時間帯なら家に帰ってるいるはずです」
甚爾と別れてから結構時間が経ってしまった。忘れてた訳では無い。……ちょっぴりだけいそがしくて……忘れてた訳では無い…うん。
「まだ幼稚園生でしょ?よく一人で生きてられるなあ」
『大家がたまに面倒を見てるようです』
なるほど。
『 とりあえず隣に引っ越してきたお姉さんって感じで近ずこうかな〜』
現代は昔のように、やあ、こんにちは。私は天女って呼ばれてるんだけど知ってる?なんて言ったら即通報だ。
─ピンポーン
「……だれですか」
ガチャとチェーンをかけながら片目を覗かせる少年。
『 (警戒心がだいぶ強いみたい)隣に引っ越してきた琴真似と言う者なんだけど…僕、親御さんはいたりするかな?』
バタン。ドアが閉まる。
『(ダメだったか)』
「 なか、入って下さい」
1度しまったあとチェーンを外して中に案内してくれる伏黒少年。
『親御さんは今お出かけ?』
「俺親いないんで」
幼い少年には似合わない顔と声色で答える伏黒少年。
甚爾はちゃんと育ててないみたい。まあ、想像どうりってとこかなあ。
『そうなのかあ〜……よしっ!じゃあお姉さんがお世話にしてあげるよ!!名案だ!』
「 え?……俺1人で大丈夫、なんで。てかただの隣人で、しかも初対面なのにそんなこと言うなんて怪しいでしょ」
びっくり。私はびっくりである。
え、まだ小学生にもなってない子供だよね?
でも怪しいでしょなんて、本人に言っちゃうなんてまだまだ可愛いところもあると安心する。
『私は琴真似 A。好きな物は甘い物。嫌いな物は争い事!君は?』
「………伏黒恵」
『うん、よろしくね伏黒少年!これで私達はただの隣人じゃなくなったよね?……ああ、そうだ引越しの準備しなくちゃなんだ!お茶ありがとう美味しかったよ。今夜またお邪魔するからその時にまた!』
警戒心MAXの顔で怪しんでいたみたいだけど私に見つめられて観念したのか名前だけ教えてくれた伏黒少年。
少年に否定の言葉を吐かれる前に私は急いで部屋を出た。
『 …………そっくりだったなあ』
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A
結ッッ構、と言うかだいぶ怪しい。本人はあんまり気づいてない。と言うか気にしてない。人間の感性なんてもの一応理解するけど自分はそれに従う気も周りに使わせる気も、なんなら周りを気遣う気もあんまりない。
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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時