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#四振り目 ページ6





『___会いたいなぁ...』





虚しい響きを含んだ小さな呟きは、既に真っ赤に染まった空に吸い込まれていった。


...その願いは、私がどう足掻こうと決して叶わないもの。


___そんな願い、持たない方が自分の為なのに。
昔の記憶が、どうしても彼らを忘れることを赦してくれなくて。


辛い。
...もう一度、あの本丸に戻りたい。


今まで自分の都合のいいように蓋をしていた思いが、ボロボロと溢れていく。

到底、止められるものではなかった。













...どれほど、同じ体勢でだんまりを続けていただろうか。

少しだけ、肌寒くなってきた。
都会の初夏と言えども、やはり夕暮れ時は冷える。日は傾き、辺りはだいぶ暗くなっていた。





(みな)との思い出は、この胸にあり、ってね...』





トン、と自分の心臓に拳を当て、立ち上がる。


...自分自身に言い聞かせるように。

大泣きする小さな子供を、あやすかのように。





『...さよなら』





誰にともなく放った言葉。
それは記憶の中の私に向けた言葉であり、思い出の中の刀剣たちに向けた言葉でもあった。

____しかし。

その『さよなら』という物哀しい言葉をしかと受け取ったのは、そのどちらでも無かった。





「さよなら、とは、私共(わたくしども)を忘れる、という事にございますか、A様...!?」

『......ッ!』

「なりませぬぞA様!"あの"本丸を救えるのは、もうあなたしかいないのです!」





耳を疑った。

妙に聞き覚えのある甲高い声。
私の背後から聞こえてきたその声は、小さい頃から日常的に耳にしていた声だ。

聞き間違いようがない。


私はこの声を、知っている。


だが、同時に振り返るのが怖かった。
何故なら、"有り得ないから"。

その声の主がこの場にいることが、どう考えてもおかしいから。

私の前に現れる理由が、無いから___。


ぎゅ、と拳に力がこもる。

怖い。けどここで無視して歩き出せば、私は一生後悔する。





「A様!機会は今日しかないのです、まさか本当に私をお忘れですか?私です__!」





甲高い声は、今この瞬間も私の耳に届いている。
それはとても言葉で表せないような悲痛な響きを持っており、とてもじゃないが無視なんて出来るはずもない。


もういい、どうにでもなれ___!!


意を決して、振り返った。





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*紫苑*(プロフ) - わざわざこちらまで、ありがとうございます!少しでも多くの読者様に見てもらえると、やっぱり嬉しいものですね(*'ω'*)占ツクの中にも、色々な考え方があるという事ですかね...。気にする必要はないと思いますよ!お互いに、頑張っていきましょう!!(^^)! (2018年10月20日 10時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
零架(プロフ) - 私の作品でのコメントありがとうございます!紫苑さんの作品も是非読みたいなと思い、やってきました!それと、私の作品の方の紫苑さんとの会話の上のあれは気にしないでくださいね。最近なんか荒らされてて... (2018年10月16日 21時) (レス) id: 93f581e909 (このIDを非表示/違反報告)
*紫苑* - 四季さん» コメントありがとうございます!ブラック本丸のブラック審神者ということで、姿から雰囲気まで"闇"満載です(/ω\)作者一番の推しである伽羅ちゃん追い詰めて、この審神者に一切の手加減しちゃいけないな...!と、我ながら気合入れました(笑)ぜひご期待ください! (2018年9月1日 20時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
四季 - え、なんなんすか?このクズ審神者。早くこいつが倒されるとこ見てえ…。更新頑張ってくださいね!ホント大倶利伽羅傷つけた時点でブッチーンっていっちゃてるんで、最後どうなるか気になります…。楽しみにしてます! (2018年8月29日 16時) (レス) id: ae7acc3881 (このIDを非表示/違反報告)
*紫苑* - 慶花さん» ブラック本丸要素は上手く出せないんですけど、夢主ちゃんはこれでもかというほど、序盤で一気に追い詰めましたね(笑)その分、伊達組の登場で緩和させたつもりだったんですけど...!しんどいのがブラック本丸の醍醐味ですから!これからもぜひお楽しみください! (2018年8月25日 12時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*紫苑* | 作者ホームページ:http://twitter.com/wakagi116  
作成日時:2018年7月5日 17時

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