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353話 ページ4

「……わかった。信じる」


真剣な様子が伝わったのか、スコッチさんは決心してくれた。




『本当に?』

「ああ。嘘をついてる感じじゃなさそうだし…、それに…あいつのこと、大事に思ってくれてるみたいだしな」



そう言って笑うスコッチさんにホッと安堵した。





『俺の持ち物は、持っててくれていいです。拘束も、このままで』

「でも、あいつらが帰ってきたらどうすればいいんだ?」

『俺が殺されそうになったり、組織に渡されそうになったりしたら止めて欲しい』

「今すぐ逃げるっていう選択はないのか?」

『…たぶん、ここにいられる時間は薬の効果が切れるまで。…少し、楽しいんだよ、昔のあの人と一緒にいられるんだと思うと』


それに、スコッチさんに会えたことも。




「…バーボンのことは、上手く言いくるめられるかも知れないが…、問題はライだ。あいつは組織の人間だし、冷徹で容赦がない。俺でも止められるかどうか」


ライ…、彼はFBI捜査官の赤井秀一。
それを、今言うわけにはいかないけど。



『大丈夫。俺が上手く立ち回ればいいんだ。そういうのは得意なんだよ』

「もうひとつ、聞かせてくれ。黒瀬、お前は一体――…」

『…貴方たちと同じ、日本の正義の味方、だよ』



スコッチさんは驚いて目を見開いたあと、声を上げて笑った。




「はははっ、なるほどな」

『俺は偽名のマシロを名乗るから、とりあえず今は…休ませて…』



力尽きたように、俺はベッドに倒れこんだ。



この世界での名前は黒瀬だから、偽名としてはマシロを名乗ることにした。


何はともあれ、スコッチさんに分かってもらえたようでよかった…。





「俺がとりあえずは上手く言っておくから、今は休んでおけ。あとで飯と薬も用意する」

『…ありがとう、スコッチさん』



…優しい親友がいるんだね、零さん。





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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時

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