無血戦争 ページ46
魔法解析学と占星術の教師が突然有給を取り、急遽第1学年での魔法史の合同授業が始まった。
いつもよりずっと人気も多く、トレイン先生の圧がある中でも騒がしく感じる。
「これなら僕も知っている、ガキの頃テレビが大騒ぎしてた」
「平和を乱す戦争を起こそうだなんて〜だとかで、夕焼けの草原って一時期孤立してたよな」
「そこ、無駄口を叩くな。もう授業は始まっている」
「うわやっべ！(小声)す、すみません」
「すみませんでした！」
トレイン先生が一つ咳払いをして、話し始める。
「この戦争の詳細は、実は今でもあまり明らかになっていない。資料集157ページのコラムを見なさい」
一斉に紙をめくる音が部屋に響く。
「これは…なんだ？写真資料に何も写っていないじゃないか！先生！印刷ミスがあります！」
セベクがバカでかい声で指摘する。
「これは印刷ミスでは無い。よく見てみろジグボルト」
「む……これは…」
白飛びしたように何も写っていない資料写真。
そこにぼんやりとある、いくつかのくすみ。
「人間の影だ。皆、教科書第二巻、170ページを開きなさい。フェルミエ、題を読み上げ、意味を答えなさい」
「はい…！えっと、凍涙の無血戦争…？な、涙も凍るくらいおそろしくて、血を全部無くすような戦争……？」
「エペル、、、さすがに無血戦争の意味は知っとこうぜ…」
ジャックが呆れた目でエペルを見る。
「はぁ…。ハウル、無血戦争の意味を代わりに答えなさい」
「はい。血の流れない戦争、または、死傷者が極端に少ない状態の戦争のことです。」
「よろしい。エペル･フェルミエ、本日の課題を二倍に増やす」
「え゛ッ」
トレイン先生はエペルを無視し、話を続ける。
「この戦争は、開戦すると同時に終戦した。……いや、終戦せざるを得なかった、と言った方が正しい。」
「終戦せざるを得なかった…？」
「戦えるものが、何も無くなったからだ。武器も、機械も、人も。全てが凍りついた。各国のテレビ局の機材も破損し、先程の資料が唯一残ったもの。この戦争は夕焼けの草原の勝利で終わった。」
「は！？軍隊全部！？」
「夕焼けの草原がそんな大魔法を！？で、でもそれだけの魔法を使ったなら夕焼けの草原も大ダメージを食らったはず…」
「エース・トラッポラ、デュース・スペード。お前たちは入学してから、余程遊び呆けていたようだ。よろしい、お前たちも課題を2倍の量で提出しなさい」
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天宮広海(プロフ) - すごい面白いです！続きを楽しみにしてます。応援してます！ (2022年11月25日 16時) (
レス) id: 85bad9f447 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 教育係www名前がｗｗｗすごいｗ続き楽しみにしてます (2022年10月29日 21時) (レス) id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 完全なる不定期更新ですが、どうか長い目で見守っていただけると嬉しいデス (2022年9月19日 15時) (レス) id: feb3f8ac18 (このIDを非表示/違反報告)
アイコン(プロフ) - 憑喪姫さん» 後々分かります。もう少し待っていただけると幸いでござる (2022年9月19日 14時) (レス) id: feb3f8ac18 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん - 初コメ失礼します！とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2022年9月17日 21時) (レス) @page38 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイコン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/satokotixyann/
作成日時：2020年11月8日 17時
