完璧少女は造られた【鬼滅の刃】第一章

・自壊……？ ページ44

煉獄side



猗窩座「今まで殺してきた柱達に炎はいなかったな！
そして俺の誘いに頷く者もなかった。

なぜだろうな？
同じく武の道を極める者として理解しかねる！
選ばれた者しか鬼にはなれないというのに！！」



猗窩座「素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えてゆく
俺はつらい、耐えられない
死んでくれ杏寿郎、若く強いまま！！！」




【破壊殺・空式】



［肆ノ型 盛炎のうねり］




虚空を拳で打つと攻撃がこちらまで来る

一瞬にも満たない速度



このまま距離を取って戦われると、頚を斬るのは厄介だ





ならば近づくまで！！




猗窩座「この素晴らしい反応速度！！」



猗窩座「この素晴らしい剣技も失われていくのだ杏寿郎。悲しくはないのか！！」



煉獄「誰もがそうだ、人間なら！！
当然のことだ！」



すると竈門少年が動こうとしているのが見えた。



煉獄「動くな！！傷が開いたら致命傷になるぞ！！
待機命令！！」



猗窩座「弱者に構うな杏寿郎！！全力を出せ！！」



［炎の呼吸 伍ノ型］




【破壊殺・乱式！！！】



［炎虎！！！］



しかし猗窩座の技がどんどん押していく。



避けられな…



［幻の呼吸 壱ノ型 幻の聖雲］



無数に繰り出される斬撃がもう一度、猗窩座の攻撃を押し返した。



猗窩座(！！ 幻の呼吸。まさかこの娘が…)



土煙の中から姿を現したのは月明かりに照らされた
幻柱・幻中Aだった。



A「ゲホッ……」



煉獄「A少女…！！」



明らかに顔色が悪い。
まるで痛みに悶えているかのように目を瞑っている。



猗窩座「A…そうか、お前が自壊の…」



自壊……？



A「…違う」



A「私はアイツの娘じゃない……」



その声には怒りのような感情が込められていた。



猗窩座「それ以上歯向かうのは限界だろう。
大人しくついて来たらここにいる全員見逃してやっても良いんだぞ？」



煉獄「A少女…」



A「…ここにいる人はね」



俺の言葉を遮るようにA少女は刀を持つ手を震えさせながら口を動かす。



A「誰かを犠牲にして命乞いをするほど小物じゃないの。
少なくとも柱やこの子達は」



A「そんな人じゃないってちゃんと
私だってわかってる……」



痛いだろう


苦しいだろう



それなのに悪鬼を滅殺しようとする精神



そして




まさかここまで俺たちを心の内では信頼してくれていたとは………




猗窩座「なら力づくだな」

・えぐり斬れ→←・人間

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す