完璧少女は造られた【鬼滅の刃】第一章

・自由 ページ5

胡蝶side



お館様「Aには感情が無いんだ」



蜜璃「感情が無い…？」



感情が無い……とは、どういうことでしょうか。
カナヲのような感じ？

しかしカナヲでもAさん程ではありません。
アオイのご飯があると素直に喜びをほんの少しだけ顔に出したりしますし……


先程の彼女はまるで機械のようでした。


行動や言動、全てがぎこちない。




歩いている様子も動かされているような感じ


挨拶も言わされているような感じ




確かに感情があるようには思えない。




お館様「Aはね、感情を捨てたんだよ。
………………自分の思い通りに体を動かすことが出来ないから」



悲鳴嶼「南無…お館様…それはどういう…」



お館様「私も詳しくは知らないけど…
そうだね…

簡単にAの過去だけ話そうかな」



柱はたった十三の少女が喜びや悲しみを知らないという事に気になっているのか、身を乗り出して話を聞く者もいた。




お館様「…まず、Aが自分の思い通りに動けないのは血鬼術のせいだよ」



血鬼術……



お館様「血鬼術が体の何処かにかかっていて、血鬼術のせいで思い通りに動けなくなっている。

………それと、Aの父親は鬼だよ」



宇髄「鬼…！？」



お館様「すまない。
言い方が悪かったね。


元々の出身の家は人間の両親がいた。
だけど産まれるところが悪かったね……
貧しい家だったから育てられる余裕が無くてAは捨てられた」



お館様「恐らくそこを鬼に拾われたんだろうね。
Aにとっては義理の父親のようなもの……」




お館様「どういう意図があったのかはわからないが、その鬼は完璧な人間を生み出す……
その事について研究していたらしい。

そして、


Aはその実験台になって、血鬼術をかけられたんだ」



お館様「だけどまだ研究中だったから……
不幸中の幸いと言うべきか、自分の意思で動いたり、自分の中の感情が強くなった時だけ、感情を全面的に前に出すことができたみたいだね。

………変わってしまった部分は口調や態度、

人より下に立つような立ち居振る舞いをするようにプログラムされてしまった」



お館様「それだけで充分すぎるほどにAは自由を奪われたのに、感情が強くなった時だけ感情を全面的に押し出すことができる部分が邪魔だったらしい。

………Aはその鬼にまで見捨てられて、その後に育手に引き取ってもらって鬼殺隊に入ったんだ」

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