08.勉強と部活 ページ10
「田中、明日早朝練とかやりそうじゃない？」
「あー浦塚も思った？ 俺も思った」
帰り道、今日の田中について菅原と話し合う。
田中、朝弱いくせに鍵の管理まで申し出るし。
「まあ澤村に一応まだ勘づかれてないのが唯一の救いかねー」
「明日、あいつら何時くらいに来んのかなー。五時くらい？」
「……なに、行くつもりなの？」
「うん。浦塚も来る？」
「行かない、勉強する」
「それが学年一位のやることか……」
「……」
『元々烏野志望じゃなかったし』
そんな言葉が喉から出かけたが、飲み込んだ。思い出したくもない苦い思い出を自らほじくり返したくない。
「……自分の将来を見据えた選択もちゃんとするんだよ。もう高校三年生なんだから。自分の人生と向き合ってくれる
「……うん」
「わかってるよ」と言った菅原の横顔はどこか切なそうだったけど、何も言わないでおいた。
現実は現実のまま、変わることは何もないから。
＊
「うーらつーかさんっ」
「……何。気持ち悪い」
「辛辣！」
金曜日の授業と授業の間の十分休み、菅原がノートを持って席に来た。
「勉強わかんないところあるなら普通にそう言いなよ。私、協力しなかったことないじゃん」
「気分」
「……。で、どこ？」
「数学のさー、教科書のこの大問四のとこなんだけど」
「あー、ここは……」
私と菅原と澤村は同じ進学クラスで皆んな四組だから、お互いこうやって勉強を教えたり教わったりっていうことが多い。
昨日菅原が言った通り私は定期テストでは一位をとれているが、全てが完璧なわけではない。
塾の課題にもたまにわからない問題とかあるし、そういう時は三人の誰かに教わるか、誰もわからなかったら三人で頭をひねらせる(たまにそこに東峰と潔子が加わることもあったりなかったり)。
「あ、解けた。ありがとな」
菅原がそう言ったあと、目に涙を浮かべながらでっかい欠伸をした。
「眠そうだな、スガ」
「大地！？ いや、全然そんなことは……」
突如背後からにゅっと現れた澤村から意表を突かれ、菅原は驚きつつも気付かれないように平静を装う。
眠いのは十中八九早朝練に付き合っているからだろう。
「睡眠とりなよ、ちゃんと」
「そうだぞ。部活も勉強も引き締まんないからな」
「……善処いたします」
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
