38.メンタル ページ41
「……繋ぎが命のバレーで、肝心要のサーブレシーブを連続でミスってる時のあの罪悪感と孤独感は尋常じゃない……タイムアウト明けもまた狙われ続けるだろうし……しかもそこに追い打ちのドシャット……。あのボーズ大丈夫か……?」
「ああ、ボーズなら大丈夫ですよ」
「そこは即答なのAちゃん!?」
「はい。_____ほら」
私がコートを指さすと、田中が思い切り自分の両頬を叩いた。
「スンマセンしたっ!!!」
「龍!! しょうがない事もあんだろ! 今のトスはムズかったし三枚ブロックだったし、俺もフォロー……」
「俺、今トス呼ばなかった!!! 一瞬ビビったんだちくしょう!! 後悔は試合終わってからクソ程する!! 大して取り柄も無え俺が、てめーのミスに勝手に凹んで足引っぱってちゃどうしようもねぇ!!! 次は決めますっ!」
「____……ほら、大丈夫なんですよ」
去年から見てきたけど、二年生組の中で唯一ずっと部活に居続けた田中。それだけで結構尊敬はしている。
「あの田中のメンタルに関して“は”何も心配する必要ありません」
「意味深だから“は”っていうのはやめよう、“は”は!!」
タイムアウトが終わり、再び及川さんのサーブ。ボールが曲がると呼んだ田中はまさかの胸でボールを受け止めた。
ボールが落ちそうになったところを日向が拾い、それを影山が相手コートに返す。
青城の三番が打ったボールを西谷が拾い、
「メンタルだけで十分すぎるほどにエースの資質あるよね……」
田中のスパイクが相手コートに落ち、ついに青城の流れを打ち切った。
が、いきなりこっちの実力が跳ね上がるわけでもなく、青城との点差は七点差になってしまう。
段々と影山の焦りが目に見えてきたようになった気がする。
影山と及川さんの押し合い負け、コンビミスなどにより青城は二十点台に乗り、烏野とは九点差。
「……あ」
ホイッスルの音が鳴った。
「
流れを変えるためか、影山と菅原が入れ替わり、菅原はコートに入るなり澤村の胸を叩き、田中の頭を叩き、東峰の脇腹に手刀を入れ、月島の頭に手刀を入れ、西谷とハイタッチをした。
「大丈夫! 一本切ってくべー!!」
そんな菅原の姿を見て、つくづく私とは正反対だな、と思う。正直、菅原のような人間とは気が合わないと最初は思っていたんだけどね……。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時