35.最強の囮が開く道 ページ38
それから進み、7(烏野)−6(伊達工)。
今のローテーションでは、相手はブロックが上手い七番が前衛、こちらは日向が前衛だ。
相手のサーブをなんとか拾い、速攻は無理かと思われたが、影山がネットから離れた位置でも日向にトスを上げて変人速攻が決まった。
これで皆、変人速攻は恐らくマグレではないと思っただろう。
ここで初めて伊達工はタイムアウトをとった。
みんなにドリンクとタオルを配りながら、チラリと伊達工を見てみる。
「みんな囮に引っかかってそうですね」
「……おまえ」
「? ハイ」
烏養コーチに呼ばれて振り向くと、苦笑いを浮かべながら
「……ホントお前、好きだよな」
と言われた。
意味がわからなかったが、タイムアウトが終わってしまったのでそれ以上は何も聞けなかった。
みんな思ってる。
____十番を
____十番を
____十番を止めなければ。
伊達工戦の前、コーチが言っていたらしい。
『とにかく、“あの小っこい十番スゲー!!”な空気を作る!! それが大きくなればなる程』
____『日向が光れば光る程』
____『相手のブロックは目がくらむのさ』
段々と田中などのスパイク、そして変人速攻でくらませたことにより普通の速攻も決まるようになってきた。
しかし、さすが伊達工と言うべきか、相手の七番が二回跳んで日向の普通の速攻を止めてきた。
「……これ、伊達工のテンション上がっちゃいましたね……」
「そうだな……」
散々伊達工を翻弄した日向をようやく止めたということは自信にも繋がる。
そして、また日向の速攻が止められた___と思うと、ブロックされたボールを西谷が上げた。
「西谷ァァァ!!」とベンチは大興奮である。
日向は直ぐに戻ってスパイクの準備を整えた。
「持って来ォォい!!」
日向に上がると思ったトス。しかしそれはエース、東峰に上げられた。
最強の囮が開いた道からの____バックアタック。
伊達工のブロックに阻まれることなく、東峰のスパイクが決まった。
……なんだろ、なんか、
「_____嬉しい」
*
変人速攻に二枚ブロックがついてくるようになったものの、25(烏野)−19(伊達工)で一セット目をとることができた。
始まった第二セット、日向を相手の七番に捕まりにくくするようにローテを二つ分ずらした。
……勝てるといいな。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時