33.本気 ページ36
「すみませーん。コイツ、エースとわかると“ロックオン”する癖があって……。だから＿＿＿＿＿。
その後は伊達工の主将に押されるような形で伊達工は去っていった。
それを見て菅原が口を開く。
「……いやーちょっとビックリしたなー。旭、よく目え逸らさなかっ＿＿＿」
『た』を言う前に一気に東峰の顔からドバっと滝汗が流れ出た。
曰く、「きっ、緊張した……」とのこと。
なんとかならないのだろうか。その見た目と中身のギャップ。
＊
「じゃ、二階行ってるね」
ベンチに入れるマネージャーは一人だけ。一回戦目は潔子がベンチとあらかじめ決めておいたので私は二階に行って試合を観戦する。
「あ」
「あ゛っ」
二階に向かうと、運悪く青城の人達と鉢合わせてしまった。一人で鉢合わせた瞬間この人達がもっとデカく感じる……。
何も話したくないので会釈だけしてその場を通り過ぎた。
適当なところに立って烏野のコートがよく見える位置を探す。
すると、ホイッスルの音が鳴り、試合開始の合図がした。
一点目は田中、二点目は東峰が決めたのだが、東峰が決めた瞬間、
「すげっ、さすが成人！」
「烏野に五年留年の人居るんだってよ！」
「まじ！？ どれ？？」
「ほら、あのヒゲの」
というグサグサ言葉が東峰のハートに突き刺さり早くも精神状態ピンチ。
そんな感じでレフトの強さを見せつけたが、うちの強さはレフトだけではない。
影山が日向にトスを上げて、日向の圧倒的ジャンプ力を会場中に見せつけた。
＿＿＿＿見よ、古兵、
＿＿＿＿烏野の復活だ。
＊
無事に一セット目をもぎ取り、二セット目も流れを渡さず、現在21−12で烏野が勝っている。
その後も順調に進み、24−13。烏野がマッチポイントに乗ったところで、常波高校が一点とって14になった。
＿＿＿＿たかが一点。その一点で点差が大きくひっくり返るわけじゃない。
バレーというのはそういう競技だ。
どんなにコースの打ち分けやボールのコントロールができても、すごいスパイクでもブロックでも、どれも同じ一点。一点しか入らない。まさに殴り合いの競技。
＿＿＿＿なのに、
「くっそがああ！！ 次は！ ぜってぇ！！ 拾う！！ 一本」
どこまでも本気だ。自分達とどんなに実力差があろうとも、……本気なんだな。
烏野が、最後の一点をもぎ取り、無事に一回戦を勝ち抜いた。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
