22.振り切る ページ25
「嶋田さ＿＿＿」
「
久々の、エースがトスを呼ぶ声。
いつも、何度だって、トスを呼んでいた。
“俺に持って来い”
“俺が決めてやる”
エースとしていつも決めてくれていたスパイクをドシャットされまくっても、呼んでいた。途中までは。
でも、段々と、精神的に疲れたように、怖くなったように、トスを呼ばなくなった。
「もう一本！！！」
「……旭……！！」
昔見た、エースに託すボール。
＿＿＿『ねえ、東峰に上げるボールってさ、少し他の人とトス違う？』
『お、よく気付いたな〜。浦塚が相手チームじゃなくて良かったべ』
『どうも。で、違うんだ？』
『そう。旭はさ＿＿＿＿』
＿＿＿＿“ネットから少し離した、高めのトスが得意なんだよね。”
三枚ブロックを振り切り、東峰がスパイクを決めた。
「久しぶりだな、この音……」
力強くて、気持ちいい、快感溢れる強い音。
エースの音だ。
「菅原も嬉しそ〜」
東峰がトス呼んだとき、目を細めて今にも泣き出しそうで、嬉しそうだった。
……懐かしい。
「……やっぱりAは菅原のこと好きなの？」
「は！？」
突然潔子が変なことを言い出すからビックリして予想以上にでかい声を出してしまい、慌てて「すみません」と謝る。
「何言ってんのいきなり……！？」
「嬉しそうなのは西谷もそうなのに菅原のことばっかり……」
「ばっかりじゃない、東峰のことも見てた！」
「ふうん」
「信じてないじゃん絶対……」
ていうか恋愛に現を抜かしている暇なんて無いし。するつもりないし。青春を棒に振ったのが私っていう女だし。
「好きな人とかものはさ……棒に振ったほうがいいよ、全部……」
＊
あのあと、東峰のスパイクが日向の額にクリティカルヒットするというアクシデントはあったものの、なんとか生きていらしたので試合は続行され、町内会チームの勝利という形で幕を下ろした。
町内会の人達からは安定すればいい所まではいけるという講評をもらった。
たしかに色々技術不足で足元がふわふわだという部分は否めない。
「……次」
「合宿、だね……」
昔の因縁の相手との再戦を、潔子と頷きあった。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
