19.ゴミ捨て場の決戦 ページ22
色々な学校と疎遠になってしまった烏野は、今までのGW合宿で練習試合なんて無かった。
珍しいな……。
「たっ、頼もしいな武ちゃん!! どうしたっ」
「あ、相手は……!?」
「東京の古豪、『音駒高校』」
「? 東京? ねこま?」
「音駒って、あの……ずーっと烏野と因縁のライバルだったっていう……?」
「うん! 確か通称___“ネコ”」
不覚にも可愛いと思ってしまった。
猫ちゃん。私は犬より猫派……。
「猫?」
よくわかっていない日向に田中と菅原が説明する。
「俺らも話だけはよく聞いててよ。前の監督同士がずーっと昔からのライバルで前はよくお互い遠征に行ってたんだと」
「実力が近くて相性も良かったから遠出する価値があるくらいのイイ練習試合ができたって聞くよ。練習試合があると近所の人は皆見に行ったらしいよ。名勝負! “猫対烏! ゴミ捨て場の決戦!” つって」
「それ本当に名勝負だったんですか」とツッこむ月島。確かにゴミ捨て場と言われると本当に名勝負だったのか疑わしく感じてしまう。
「俺達もいつか戦ってみたいねって、たまに皆で話してたんだ」
「おお……!」
「でも」と澤村が怪訝そうに口を開いた。
「ここしばらく接点なかったのに、どうして今?」
「うん……詳しい事はまた後で話すけど……音駒高校っていう好敵手の存在を聞いてどうしても、“因縁の再戦”をやりたかったんだ。相手が音駒高校となれば……きっと“彼”も動くハズ」
*
「おお! 偏差値65!」
ブイ模擬の結果を塾の先生に見せると、笑顔でそんな反応をされた。
「S大合格が目に見えてきたな。このまま頑張れよ」
「はい」
「浦塚は今部活入ってるんだっけか」
「男子バレー部のマネージャーやってます」
「そうかー。次の大会は?」
「予選が六月、もしも全国とかに行けば八月まで長引きます」
「じゃあ夏休みから本番だな。夏休みが勝負だぞ。よく聞く話だと思うけど、『夏休みで受験は決まる』って決して過言なんかじゃないからな」
「……はい」
昔は私も過言だと思っていた。
夏休みにそんなやったところで、って。
でも、今なら、今なら手に取るようにわかる。
「___……わかってます」
私は二度と失敗しない。
烏野でここまで上がってきたんだから、もう間違った選択だけは絶対しない。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時