17.烏野の守護神 ページ20
「それでさー……現文の先生にそういう宿題出されて」
「面倒くさいね……私も出されるのかな」
ある日の部活、潔子と体育館に入ると、聞き覚えのある声で「あ!!!」と聞こえてきた。
「潔子さぁ〜ん!!! Aさぁ〜ん!!! 貴女達に会いに来ました、潔子さぁ〜ん!!! Aさぁ〜ん!!!」
「……あ、西谷……!?」
部活停止になっていた西谷が帰ってきている……そして、西谷が私たちに飛びつこうとしたので、潔子の平手打ちが西谷の頬に炸裂した。
……なのに、嬉しそう。
「___で、旭さんは?? 戻ってますか?」
久々に聞いた“エース”の名前。
澤村が「……いや」と答えると、西谷が一瞬で怒ったようになった。
「___あの根性無し……!!」
「!! こらノヤ!! エースをそんな風に言うんじゃねえ!」
「うるせえ! 根性無しは根性無しだ! 前にも言った通り、旭さんが戻んないなら俺も戻んねえ!!」
西谷はそのまま体育館の扉をバァンと閉めて立ち去ってしまった。
「なんですか?」
「悪い……西谷とウチのエースの間には、ちょっと問題が生じていてだな……」
状況がよくわかっていない影山に田中がそう説明する。
菅原を見てみると、菅原は無言で斜め下を見ていた。
「……あれ、日向は?」
この場にさっきまでいたはずの日向がいないことに気づき、影山もキョロキョロと日向の姿を探していると、「レシーブ教えてください!!」と体育館の外から声が聞こえてきた。
「ニシヤさんリベロですよね!? 守備専門の……」
「ニシ
「えっ? いや、レシーブが上手いから……。だってリベロは小さいからやるポジションじゃなくて、レシーブが上手いからやれるポジションでしょ? あっ、ですよね?」
「! ……お前……よくわかってんじゃねーか」
「あと
日向がそう言うと、明らかに西谷が耳をでかくした。……自分が褒められてる時は地獄耳になるんだよな……。
「守っ!? な、なんだソレ。そんな大げさな呼び方されたって俺は別にっ……。……ホントに言ってた?」
「言ってました」
そんなカッコイイ名前で呼んだってなァーなんて言ってはいるが内心ご満悦の様子である。
「……日向って、無意識に人のやる気出すの得意そうだよね」
「確かに」
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時