いつかまた会えたら。【ハイキュー!!】

14.及川さん ページ16

影山の言葉が気になる中で始まった第三セット。




「アララっ、一セット取られちゃったんですか！」




なんかめっちゃチャラい声が聞こえた、と声の方向を振り向くと青城のジャージを着た背の高い人がいた。

誰だ……と思っていると、「及川さ〜ん！！ やっと来たぁ〜っ」という女子の黄色い歓声が湧き上がった。




「おお！ 戻ったのか、足はどうだった！」


「バッチリです！ もう通常の練習イケます！ 軽い捻挫でしたしね」


「まったく……気をつけろよ、及川」


「スミマセ〜ン」


「向こうには『影山出せ』なんて偉そうに言っといてこっちは正セッターじゃないなんて頭上がらんだろが！」


「あはは……」




……苦手なタイプだ。関わらないでおこう。
及川、というすごそうな人から目を逸らして烏野のコートに目を向ける。……が、どうやら影山は及川という人を知っているようで。





「……“及川さん”……超攻撃的セッターで攻撃もチームでトップクラスだと思います。あと凄く性格が……悪い。月島以上かも」


「それはひどいな！ お前の知り合いてことは北川第一の奴かよ？」


「……ハイ、中学の先輩です」




まじかよ、と思っていた矢先、案の定及川さんがこっちに来た。




「やっほー、トビオちゃん。久しぶり〜育(おが)ったね〜」


「……俺……サーブとブロックはあの人見て覚えました。実力は相当です」


「元気に“王様”やってる〜？」




＊

その後も



「ね〜及川さん、まだ出ないのかなぁ」


「バカ！ ちゃんとウォーミングアップしないとケガしちゃうんだから！」


「エーッ、それはダメ〜！」



……等々、騒がしい声が度々聞こえてくる。




「……公共の場ということを知らないのかな、あの人たち」


「浦塚、顔。顔。やめて。怖い」




及川という名の優男の登場により田中がキレて、逆にパワー増幅するなどの効果によって烏野の勢いが止まらなかったのは唯一の救いと言える。20−24で現在烏野高校マッチポイントだ。




「アララ〜ピンチじゃないですか」


「……アップは？」


「バッチリです！」




ホイッスルが鳴り青城の選手交替(メンバーチェンジ)。

「及川さんがんばって〜♡」という雄叫びに近い叫び声がマジでうるさい。その元凶である及川さんはピンチサーバーで出るらしい。


何故か月島を指さしてると思ったら、相当威力の高いサーブを月島目がけて打ってきた。

15.勝敗→←13.変人速攻

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す