１９９、奇術師は企む ページ40
【ヒソカ side】
(う〜ん、困るなぁ◆)
拠点のある方角を名残惜しげに見つめるソフィア。
ソフィアを見下ろし、その頭を撫でるクロロ。
正直なところ、ボクにとって良くない傾向だ。ソフィアが蜘蛛に情を抱いてしまっている。
そうなんだろうなと思ってはいたけれど、目の当たりにしてしまうとやはり面白くない気分だ。
なにせ、蜘蛛はヒソカが狩る時を楽しみにしていた獲物。壊れてもいい玩具。
幾らソフィアが大切な存在であるとはいえ、楽しみを邪魔される可能性があるのはいただけない。
そして、仮にソフィアが蜘蛛側につくとしたら、勝てるビジョンが浮かばないのも難点だ。
(邪魔をするならその時はそれまで、容赦はしない……って思いたいところなんだけど◆)
自分は彼女を欲することを諦められない。唯一無二の壊れない玩具という点でも、自分には一生縁がないと思っていた感情をもたらす存在という点でも。
だから本心からの敵対はあまりしたくない。
それに、どちらかが死ぬまで止まらないなんてことになったら死ぬのは確実に自分だ。なんてったって、ソフィアは不死身なのだから。
その場合、ソフィアは泣くのだろうか……そう思うと、ちょっとそそられるが。
(できれば、生きてソフィアを見ていたいんだよね◇)
緻密に練られた策略を、組み上げられた攻防を最後の最後まで堪能し尽くして生死の境で踊りたい。
それはボクの生きる理由であり、欲望だ。
けれどその欲望とは違った種類の欲望で、ボクは彼女を欲してる。
どちらかなんて選べない。どちらも満たされたい。
(ソフィアに邪魔されずに、蜘蛛を狩る……う〜ん、難易度が高くて興奮する◇)
ソフィアとクロロが再び歩き出す横で、これからの算段を立てる。
彼女を遠ざけるとなると、外部の協力が必要だ。これはアテがあるからなんとかなる。
問題は狩った後だ。ソフィアがどう反応するかわからない。
怒る、泣く。これはまだいい。嫌悪。これは避けたい。
(手遅れには、なりたくないんだよね◆)
自らソフィアの心を得る機会を投げ捨てるなんて、愚行中の愚行だ。
むざむざイルミにチャンスをあげるようなものだし、こんな無垢な信頼は裏切れば二度と得られない。
(どうしようか◇)
正直手詰まり感があるが、それでも思考は止まらない。
味わえるなら味わいたい。欲するものを全て、骨の髄まで、命が止まるまで。
続く (更新停止中)
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
