１９７、仮宿からの旅立ち ページ38
「ソフィア、準備はいいかい？◇」
「ええ、忘れ物はないと思うわ」
旅団の自室。ヒソカがいつの間にか用意していたキャリーケースに服と小物、日用品をしまい終えて返事をした。
さすがにベッドなどは持っていけないから置いていく。
腕相撲や手合わせを終えて、ソフィアは今日、この拠点を後にする。
少しの間ではあったけれど楽しく過ごした場所だったから離れるのは名残惜しい。
結論から言えば、腕相撲はウボォーギンとの決勝戦で勝負が無効になった。
台となっていた瓦礫が割れたのだ。それぞれの肘が乗っていたところを中心に、真っ二つに。
別の瓦礫を用意して何度やっても結果は同じで、私は特別枠でウボォーギンと同等の一位になった。
なお、そのあと誘われた手合わせでは大きな声に耳と頭をやられてしまって負けた。
人間もそういう戦い方ができるとは思っていなくて、油断してしまっていたのが敗因である。
観戦していたクロロには「お前にも弱点はあったんだな」と笑われたけれど、次は効かないと告げたら興味深そうに見つめられた。
閑話休題。
「ここにきて随分と荷物が増えたね◇」
「そうね……この先もこうやって増えていくのかしら。移動が大変そう」
「だったら、どこかの街で家を借りれば良いと思うよ◇」
「検討しておくわ」
くすくすと笑いあいながら、クロロたちがいる広場に出る。
彼らは殆どが手ぶらで立っていて、今日ここを発つと事前に知っていなければこのままここには戻ってこないとは思えなかっただろう。
例外で、シャルナークとパクノダ、クロロはキャリーケースだったりショルダーバッグだったりを身に付けていたけれど。
「それじゃあ、解散だな」
「あーあ、もうちょっと手合わせしたかったぜ。……んじゃ、またな」
解散中は身体が鈍ってよ、とフィンクスが肩を回しながら出ていく。
他の面々もまた、と言葉を交わしながら思い思いに拠点内を動く。
なんというかあっさりとしていて、現実味がない。
ポカンとそれを見ていると、クロロが傍までやってきていた。
額にバンダナを巻いて髪を下ろしている姿は、何度か見たラフなもの。彼いわく「公私は分けることにしている」のだとか。
「驚いたか？」
「クロロ。ええ、とても」
「湿っぽいのはガラじゃないからな、いつもこういった感じで解散するんだ」
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
