１９４、夢の正体 ページ35
イルミに抱き締められていてあまり見えないが、声の位置からして、扉からヒソカが入ってきたらしい。
かけられた声に、イルミが心なしか拗ねたような声で答えた。
「やだ。少しくらいいいじゃん、ヒソカはまた暫くソフィアといられるんだし」
「まあそうだけどさ◇ それなら早く仕事を終わらせて合流するに限るんじゃない◇」
ヒソカのその言葉が意外だったのか、イルミが身体を起こしてしげしげとヒソカを見つめる。
その動作で私もヒソカが見えるようになって、目を向ければ彼はにっこりと微笑んだ。
「おはよう、ソフィア◇ 長いこと眠っていたけれど、身体は大丈夫かい◇」
「おはよう、ヒソカ。身体は大丈夫だけど……私はどのぐらい寝てたの？」
「一週間◇」
「……そう」
一週間も寝ていた事実に驚く。まさか、そんなに長く寝ていたなんて。
しかし、思い当たる節はある。
夢の中で聞こえた、知らない男の声。
旅団を殺せという指令。あの念を消化していたのだろう。
しかも、恐らくだがあの念は、私の闘争本能をかなり刺激していた。ぶっちゃけあれを食べたせいで理性が吹き飛んでといっても過言ではないぐらいだ。
先程見た悪夢も、念が私の本能を刺激していた結果かもしれない。
「クロロたちがお待ちかねだよ、皆ソフィアが起きるのを待ってたみたいだからさ◇」
「そうなの？」
「”腕相撲の特別枠が残ってる”らしいよ◇ 随分と気に入られたもんだね◆」
その言葉にポカンと呆けてから、意味を理解して笑みを漏らす。
拠点をフェイタンと出る前に見た腕相撲の勝ち表。あれに自分の名前が入っていたのを、すっかり忘れてた。
「じゃあ、オレはもういくね。ソフィアが起きたの見たし」
イルミの腕が離れていく。名残惜しくて見上げると、黒い瞳と視線が絡んだ。
「起きるまで待っていてくれてありがとう、イルミ」
「……さっさと片付けて会いに行くから」
じゃあね。と言うと同時にイルミが顔を近付けてきて、けれど思い直したように固まるとサッと扉へ歩いていく。
どうしたのだろうとその背を見送っていると、扉のそばにいたヒソカが珍しく溜め息をついた。
「……ホント、油断も隙もない◆」
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
