１９３、目覚めて ページ34
ぱちりと目を開くと、そこはここ数日ですっかり見慣れた自室だった。
どうやら意識を失っている間に運んでもらったらしく、私はベッドにいた。
そして同じベッドに腰かける形で、イルミがそこにいた。
「イルミ……？」
「うん、オレだよ」
最後に会った時の追い詰められたような様子とはうってかわって、穏やかな雰囲気でイルミが頷いた。
その事が嬉しい。けれど、それを喜ぶ前に確認したいことがあった。
体を起こして、イルミを見つめる。
「イルミ、その、貴方のお父さんは、無事なの？」
「うん、無事だよ。多少怪我はしてるけどね、命には関わらない」
その言葉に安堵して、不安で張り詰めていた気持ちが一気に緩んだ。
ネテロに気絶させられるまでのことは、途切れ途切れに覚えていた。
けれどその時のことは、楽しいという感情で埋め尽くされていて、シルバの怪我の具合を認識することが出来なかったのだ。
「よかった……」
ネテロがあの場に居なかったら、さっき見た夢のようになっていたかもしれない。
もしそうなっていたら、自分はどうなっていただろう。イルミは、今のように傍に居てくれたのだろうか。
「ソフィア？」
「貴方のお父さんを、殺してしまわなくて、よかった……」
安心したら涙腺まで緩んでしまったみたいで、涙が溢れる。
突然泣き出してしまったからか、イルミが動揺したように瞳を揺らした。
「もし殺されてたとしても、先に仕掛けたのは親父だよ」
「それでも、私は殺したくなかったの。イルミの家族だから」
「……ソフィアは甘いね」
そう呟いたイルミにふわりと抱きすくめられた。
腕の中の安心感に目を細める。身を預けて寄りかかると、一層強い力で抱き込まれた。
「暗殺者には向いてない甘さだ」
「なら、求婚は取り下げかしら？」
「ううん、取り下げなんてしない。オレはソフィアがいい」
イルミの頭が肩に乗っかる。まるで全身で甘えるような仕草に、驚き半分でそれを受け入れる。
そうしていると、不意にイルミの片腕が素早く横に持ち上がった。指の間に見覚えのあるトランプが二枚、挟まっている。
「いつまでくっついてるの◆ 彼女が起きたのは確認しただろ、早く仕事に行きなよ◆」
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
