【番外編】静観を決め込んだ祖父の苦悩 ページ42
【no side】
龍の装飾があしらわれたソファーに座り、ゼノはどこかへと電話をかけていた。
１コールもせずに通話口に出た相手は、相も変わらず呑気なようでいて奥底の読めない声色をしている。
「ようジジイ、聞きたいことがあるんじゃが」
”開幕から口が悪いのうお主は、お前さんもジジイだろうに”
儂からすれば変わらずこわっぱだがの。そう笑われれば、そんな問答がしたいんじゃないわいと溜め息をつく。
通話相手であるネテロはゼノが赤ん坊の頃から爺であった。だからこそ、その返しに対して言い返せることは何もない。
”しかしお主からかけてくるのは珍しい。何の用かの”
「ソフィアという女を知っとるだろ」
問いかけではなく確信で切り込んだゼノに、通話向こうの気配が変わる。
”成る程、会ったのか”
「あれは何じゃ」
誰ではなく、何と問う。その意図がわからないネテロではない。
”あやつは人間になりたがった獣じゃよ。それ以上でもそれ以下でもない”
「やはり知ってるんだな。ネテロ、お主が見逃して野放しにしているということは奴は危険ではないということか？」
”人間としての生活に必要な知識は粗方教えたからの。余程人間があやつの機嫌を損ねん限りは無害じゃ”
「機嫌を損ねるの基準は？」
”何じゃお主やけに聞きたがるのう……ソフィアが何かしたのか”
「いやなーんも。むしろこっちがやった側じゃな、イルミが土手っ腹に穴開けた上にシルバが奴を捕獲しようとしておる」
”はああ？？？？”
ここ数日の家の流れを教えることはせず仕出かしたことだけを伝えれば、ネテロが「え、お前マジか」みたいな声を出した。
さすがにゼノも驚き、携帯から少しばかり耳を離す。
”あー、機嫌を損ねるの基準じゃったのう。正直さっぱりわからん”
「何じゃ知らんのか」
”あやつは滅多なことじゃ怒らんのでな。自分ルールで生きとる節がある。傾向としては、自分にメリットがないまま利用されるのを嫌うってくらいじゃの”
「そのメリット、単純な損得じゃないじゃろ」
”そうじゃな。試験中見た感じじゃと、気に入った相手なら相手の意思を優先した上で自分の納得できる結果を掴む感じじゃろうかの。お主の孫はどっちも気に入られとったようじゃぞ”
「気に入らない相手の基準は」
”さっき言ったことと自分の目的を邪魔する、気に入った相手を理不尽に攻撃する、じゃな”
額に手を当て、ゼノが俯く。
「シルバがやらかすかもしれん……」
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
