追跡とそれぞれの思惑 ページ38
『ねえ、つかぬ事を聞くんだけど…君には変装の出来る知り合いっている?』
「…え?」
日常で当たり前に息をするように、何でもない事のように自然な調子で聞いたものだから、少年は水底に沈めた端末から視線を上げ、ただでさえ大きな目をぱちくりさせてこちらを見ていた。しかしそれも一瞬であり、目的を果たした私たちはその場から移動する。
『まあそう簡単にいたら笑っちゃうんだけど…何故か君ならもしかしたらって思うのよね』
「…いる、って言ったらどうするの」
ーーその言葉を待っていた。
『私と彼の
「2人に協力…?FBIに、じゃないの」
『ええ、私たち2人…。敵の目を欺くために、使える物は全てフル活用したい質でね?そこに、付け入られやすい
悔しい事に、今の自分の技術だけでは限界を感じていた。誤魔化す程度で満足しているようでは、生き残るのはきっと厳しい。そろそろ、イレギュラー要素が欲しかったのだ。
「来たか…2人共早く乗れ」
立ち話も終いのようだ。秀一の車が私たちの目の前にやや荒く止まった。半ば強引に乗り込み、私はパソコンを素早く立ち上げて状況を確認する…問題ない。予定通りの進行だ。
『
「ああ…」
楠田陸道はその日のうちに動いた。彼の行動を先読みした秀一の運転で、私と少年は逃走車を追う。
<組織に連絡される前になんとしても彼を確保するんだ!!>
「了解…もっとも、奴が携帯を今も所持していたら止められませんがね…」
携帯から、ジェイムズさんの焦った声が聞こえる。淡々と報告する秀一の声だけが浮いていて、緊迫した状況だというのに思わず笑ってしまったのは許してほしい。
「大丈夫…あの人が病室を出てる隙に、あの人の携帯電話を探して水に沈めておいたから…」
『うん、奴の携帯の反応も消えてるし…完全に壊せたと言ってもいいんじゃないかな』
そう、私がパソコンを開いたのはその確認のためだけ。充分すぎるほど時間はあった。役目を終えた端末を仕舞い、そっと
「フン…何を2人でコソコソしていたかと思えば。
「念には念を入れただけさ…」
『私はlittleが面白い事をしようとしてたから、付いてっただけー』
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リュウヤ(プロフ) - 優花さん» メッセージありがとうございます。私はまだ映画を見られていませんが、赤井さんが1番の推しです。なかなか話を書く余裕がないため一旦停止としてますが、見つけてくださってありがとうございます。励みになります! (2021年7月6日 0時) (レス) id: 8b594e4d48 (このIDを非表示/違反報告)
優花 - 緋色の弾丸を見て、ココに来ました。 赤井さんはカッコいいですよね! 詳しくはないですが、コナンの中で、一番の押しです。 更新停止なのは仕方がないですが、復帰を願っています!頑張ってください! (2021年7月4日 20時) (レス) id: ef3d2855ab (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 真由さん» メッセージありがとうございます。理想だけ詰め込んだ赤井さんです…!映画もうすぐですね、ぼちぼち構想練ろうかな〜と思いつつあります。観に行ったら正気でいられる自信がないですね…w (2021年4月14日 17時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 丸々1日かけて一気読みしました!めちゃめちゃめちゃ好きです!!!毎シリーズ(?)赤井さんのスパダリ具合にぎゃあぎゃあ叫びました笑次の更新までにもう一周してこようと思います。(((\(≧∀≦`)/))) (2021年4月13日 20時) (レス) id: 553236276e (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - 星の桜さん» メッセージありがとうございます。随分前の作品を見てくださってありがとうございました。そちらもコロナにはお気を付けて。気長にお待ちください! (2020年4月27日 8時) (レス) id: 441313cccd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウヤ | 作成日時:2018年7月27日 23時